大阪市、障害者就労支援の不正受給で4事業所の指定取り消し 110億円超返還請求
要約
絆ホールディングス傘下の就労継続支援A型事業所4カ所が対象で、2026年5月1日付で事業者指定を取り消す。返還請求額110億7650万円は、障害者総合支援法に基づく処分としては異例の規模。
4事業所の指定を5月1日付で取り消し
大阪市は27日、障害者就労支援の給付金を不正に受給していたとして、市内4カ所の就労継続支援A型事業所について、障害者総合支援法に基づき事業者指定を取り消すと発表した。取り消しは2026年5月1日付で、返還請求額は110億7650万円にのぼる。市からの支給額に法定上乗せ額を含めた金額である。
処分対象となったのは、大阪市に拠点を置く絆ホールディングス(HD)の傘下で運営されていた4つの就労継続支援A型事業所だ。就労継続支援A型事業所は、一般企業での就労が困難な障害者に対し、雇用契約を結んだ上で働く場を提供する福祉サービスの一形態である。
返還請求額は110億円超
返還請求額の110億7650万円は、障害者就労支援における不正受給としては極めて大きな規模だ。不正受給の具体的な手法や期間など、詳細については現時点で明らかになっていない部分もある。
事業所では、利用者が一般企業などで6カ月以上働く実績に関連した給付金の仕組みが不正に利用されていたとみられる。
障害者就労支援を巡る全国的な課題
障害者の就労支援事業を巡っては、全国各地で不正受給の問題が相次いでいる。補助金制度を悪用し、実態の伴わない就労実績を申告するケースが各地で報告されており、制度の監視体制が課題となっている。
国は2017年に補助金の利用者給料への充当を禁止するなど制度改革を進めてきたが、不正の手口は巧妙化する傾向にある。2024年には事業所報酬の引き下げも実施されたが、その影響で経営が立ち行かなくなった事業所が相次ぎ、障害者の雇用の受け皿が失われるという副作用も指摘されている。
今回の大阪市の処分は、不正に対する行政の厳格な姿勢を示すものだが、利用者である障害者への影響をどのように最小限に抑えるかも今後の焦点となる。