国連、ホルムズ海峡の肥料輸送確保へタスクフォース設置 黒海穀物イニシアチブをモデルに
要約
世界の海上肥料取引の3分の1が経由するホルムズ海峡の輸送安定化に向け、グテーレス事務総長が新たな多国間枠組みの立ち上げを発表した。原油は現時点で対象外となっている。
ホルムズ海峡国連食料
グテーレス事務総長が発表
国連は27日、ホルムズ海峡における肥料輸送の安定確保を目的としたタスクフォースを設置したと発表した。グテーレス事務総長自らが設置を表明したもので、世界の海上肥料取引の3分の1が同海峡を経由している現状を踏まえた措置である。
タスクフォースの枠組みとしては、2023年に終了した黒海穀物イニシアチブをモデルとして参考にする方針だ。黒海穀物イニシアチブは、ロシアによるウクライナ侵攻で途絶した黒海経由の穀物輸送を回復させるため、国連とトルコの仲介で2022年に発足した枠組みだったが、2023年にロシアが離脱し終了していた。
原油は対象外
今回のタスクフォースが対象とするのは肥料の輸送であり、現時点で原油は対象に含まれていない。ホルムズ海峡は世界有数のエネルギー輸送の要衝として知られるが、国連が今回焦点を当てたのは食料安全保障に直結する肥料の供給確保である。
黒海の経験を新たな危機対応に
黒海穀物イニシアチブは、その運用期間中に3,200万トンを超える穀物をグローバル・サウスの国々を中心に届け、食料価格の安定に一定の貢献を果たした実績がある。国連はこの多国間調整による危機管理の経験を、ホルムズ海峡の肥料輸送問題にも応用しようとしている。
肥料の供給が滞れば農作物の減産につながり、世界的な食料価格の高騰を招く恐れがある。春の播種期を控えた時期に、国連が予防的な枠組みの構築に乗り出した形だ。