G7外相、イランのホルムズ海峡通航料徴収を牽制する共同声明を発表
要約
G7外相がパリ近郊で会合を開き、イランが検討するホルムズ海峡での通航料徴収に対し「航行の自由の恒久的回復」を求める共同声明を採択した。
G7外相が共同声明で航行の自由を強調
G7(主要7カ国)の外相は26、27日の両日、パリ近郊のセルネラビルで会合を開き、イラン情勢に関する共同声明を発表した。声明はイランが検討しているホルムズ海峡での通航料徴収を牽制する内容で、「ホルムズ海峡を通航料なく通過する航行の自由を、恒久的に回復する絶対的な必要性」を確認した。
また声明は、民間人やインフラ施設への攻撃をただちに停止するよう求めている。ホルムズ海峡は世界の海上石油輸送の約30%を担う要衝であり、G7として国際的な航行秩序の維持に強い姿勢を示した形だ。
ルビオ米国務長官「違法かつ危険」
米国のルビオ国務長官は初日の26日を欠席し、2日目の27日から合流した。ルビオ氏は主にイラン情勢に対する現状分析などを報告し、イランによる通航料の徴収について「違法なだけでなく、世界にとって危険なものだ」と非難した。
イランの国会では現在、ホルムズ海峡を航行する船舶から通航料を徴収する法案が検討されている。ホルムズ海峡は国連海洋法条約上の「国際海峡」に該当し、すべての船舶に通過通航権が認められるとされるが、イランは同条約を批准しておらず、独自の主権的立場を主張している。
エネルギー供給への懸念が背景に
G7がこの問題に強い姿勢で臨む背景には、世界的なエネルギー供給への深刻な懸念がある。ホルムズ海峡は紛争の影響で事実上の封鎖状態にあり、1日あたりの通航船舶数は通常の約120隻から5隻へと激減している。ペルシャ湾には150隻以上のタンカーが滞留しており、原油の安定供給が脅かされている状況だ。
日本にとっても影響は深刻である。日本の原油輸入の8〜9割は中東産に依存しており、化学産業の根幹原料であるナフサの供給にも直結する。プラスチック、合成繊維、医薬品、半導体材料など広範な産業への波及が懸念されている。
サウジアラビアやUAEにはホルムズ海峡を迂回するパイプラインが存在するものの、その輸送能力は海峡経由の大規模輸送には遠く及ばず、代替手段としては限界がある。G7各国は今回の声明を通じて、国際法に基づく海洋秩序の維持と、エネルギー安全保障の確保に向けた結束を改めて示した。