68年前の赤ちゃん取り違え事件、東京都の調査報告書で実の親特定に至らず
要約
1958年頃に都立病院で発生した新生児取り違え事件について、東京都が調査報告書を当事者男性に手渡した。68年の時間経過のため実の親の特定には至らず、東京都は今後の調査は困難との見解を示している。
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調査報告書で「特定に至らず」
1958年頃に東京都墨田区の都立病院で発生した赤ちゃん取り違え事件をめぐり、東京都は2026年3月30日、生みの親の特定を目的とした調査報告書を当事者の男性に手渡した。報告書では実の親の特定には至らなかったと結論付けられている。
東京都はあわせて「さらなる調査は難しい」との見解を示しており、事件発生から68年を経てもなお、男性が実の親にたどり着く道は閉ざされた格好だ。
68年前の都立病院で発生
事件は1958年頃、墨田区にあった都立病院で起きた。新生児が取り違えられ、男性は実の親とは異なる家庭で育てられることになった。その後、東京都が生みの親を探す調査を進めてきたが、長い年月の壁を越えることはできなかった。
「出自を知る権利」の限界
68年という歳月は、関係者の記憶や記録の散逸を招き、調査を著しく困難にしたとみられる。1950年代の日本では出産ラッシュにより病院の業務が逼迫しており、新生児の管理体制が十分でなかったことが取り違え事件の背景にあるとされる。都が「さらなる調査は難しい」と結論づけたことで、男性が自らの出自を知るための手段は極めて限られた状況となった。