受刑者の選挙権制限は「違憲」、高松地裁が判決 選挙人名簿への登録認める
要約
詐欺罪で実刑判決を受け仮釈放された男性が選挙人名簿への登録を求めた訴訟で、高松地裁は公職選挙法の規定を違憲と判断した。受刑者の選挙権をめぐる司法判断は過去にも分かれており、今回の判決が立法に影響を与えるか注目される。
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高松地裁、受刑者の選挙権制限を「違憲」と判断
受刑者の選挙権を認めない公職選挙法の規定について、高松地裁は31日、憲法15条などに反するとして「違憲」との判断を示した。田中一隆裁判長は、制限に「根拠がない」とし、原告である男性の主張を認める判決を言い渡した。
訴訟を起こしたのは、詐欺罪で実刑判決を受けた後に仮釈放された男性である。男性は選挙人名簿への登録を求めて提訴し、高松地裁はこれを認めた。
割れる司法判断
受刑者の選挙権をめぐっては、過去にも裁判所の判断が分かれてきた。2013年には大阪高裁が違憲判断を示したものの、その後は広島地裁・広島高裁、東京地裁・東京高裁で合憲とする判断が続いていた。今回の高松地裁の判決は、再び違憲の立場を示したものとなる。
更生重視への転換と今後の焦点
刑事政策の分野では、受刑者の社会復帰を重視する流れが強まっている。2025年6月には懲役・禁錮が廃止され拘禁刑が導入されたなど、制度面でも変化が進んでいる。受刑者の権利をどう扱うかという議論は、こうした流れと重なる部分がある。
過去には、成年被後見人の選挙権制限が2013年の東京地裁違憲判決を契機に法改正で解消された前例がある。今回の判決が立法の見直しにつながるかどうかが、今後の焦点となる。