東京ガス子会社社員の自殺は「業務が原因」 東京地裁が労基署の不支給処分を取り消し
要約
東京ガスから子会社に出向していた男性社員が2018年にうつ病を発症し死亡した件で、東京地裁は業務との因果関係を認め、三田労基署による遺族補償の不支給処分を取り消す判決を言い渡した。
「疎外感や無力感」業務による精神的負荷を認定
東京地裁は2026年4月13日、東京ガスから子会社「東京ガスエンジニアリングソリューションズ」に出向していた男性社員の自殺について、業務との因果関係を認め、三田労働基準監督署による遺族補償の不支給処分を取り消す判決を言い渡した。男性の両親が処分の取り消しを求めて提訴していた。
小原一人裁判長は判決理由の中で、「上司や先輩社員が忙殺され具体的な指示をせず、男性は一人で自席にいる時間が長かった」と指摘。その上で「疎外感や無力感を味わい、相当な精神的負荷があった」と述べ、業務環境がうつ病の発症につながったと判断した。
配属からわずか4カ月で死亡
男性は2018年4月、東京ガスエンジニアリングソリューションズの財務グループに配属された。しかし同年8月、うつ病を発症し死亡した。配属からわずか4カ月という短期間での悲劇だった。
遺族である両親は、男性の死が業務に起因するものだとして遺族補償を申請したが、三田労働基準監督署はこれを不支給と決定。両親が処分の取り消しを求めて東京地裁に提訴していた。
財務グループに配属
男性が東京ガスエンジニアリングソリューションズの財務グループに配属される。上司や先輩が忙殺され、具体的な指示がない環境だった。
うつ病を発症し死亡
配属からわずか4カ月で男性が死亡。一人で自席にいる時間が長く、疎外感や無力感による精神的負荷が原因とされた。
東京地裁が処分取り消し判決
小原一人裁判長が業務と死亡の因果関係を認定し、三田労基署の遺族補償不支給処分を取り消した。
職場環境の問題を重く判断
今回の判決では、長時間労働そのものではなく、職場における孤立や支援体制の欠如が精神的負荷の要因として重視された点が注目される。上司や先輩社員が多忙のために新たに配属された男性に対して十分な指導や指示を行わなかったことが、深刻な疎外感や無力感を生んだと裁判所は認定した。
三田労働基準監督署は当初、業務と死亡との因果関係を認めず不支給としていたが、東京地裁はこの判断を覆す形となった。