自転車「青切符」制度を悪用、ニセ警察官が1万5千円詐取 栃木・小山
要約
2026年4月に施行された自転車の交通反則通告制度に便乗し、警察官を装い現金をだまし取る詐欺事件が発生しました。栃木県小山市や広島県呉市で被害が相次いでおり、警察はその場で現金を支払わないよう呼びかけています。
私服姿の男2人組が「罰金」名目で現金詐取
栃木県小山市で5月12日、警察官を装った男2人組が自転車に乗っていた男性から現金1万5千円をだまし取る詐欺事件が発生した。栃木県警小山署が13日に発表し、注意を呼びかけている。
同署によると、12日午前8時ごろ、小山市内の交差点付近で自転車に乗っていた無職の男性(43)に対し、40代くらいの男2人組が「自転車は車両扱いだから」「信号無視の違反で罰金1万5千円ね。今払えるかな」と声をかけた。男らは私服姿で白いセダンに乗っており、本物にそっくりな偽の交通反則通知書と納付書を男性に手渡したという。
男性は「違反をしたつもりがないのに動転して罰金を支払ってしまった。納得がいかない」と話しており、約10分後の午前8時10分ごろ、たまたま通りかかったパトカーを呼び止めたことで事件が発覚した。犯人2人組の身元や行方はわかっておらず、小山署が詐欺事件として捜査を進めている。
4月施行の新制度に便乗した手口
今回の事件は、2026年4月1日に全国で施行されたばかりの自転車の交通反則通告制度、いわゆる「青切符制度」を悪用したものとみられる。同制度では16歳以上の自転車利用者の信号無視や一時不停止などの軽微な違反に対し、反則金が科される仕組みが導入された。
しかし、栃木県警は「警察官がその場で現金を徴収することはあり得ない」と強調する。正規の手続きでは、違反者には反則通知書が交付され、後日、金融機関などを通じて反則金を納付する流れとなっている。路上で直接現金を求められた場合は詐欺を疑う必要がある。
広島でも同様の被害、全国に広がる懸念
同様の手口による被害は他県でも確認されている。5月4日には広島県呉市で高校生が現金2千円をだまし取られる事件が発生しており、新制度に便乗した詐欺が全国的に広がりつつある状況だ。
自転車の青切符制度が全国施行
16歳以上の自転車利用者の軽微な違反に反則金を科す制度が開始された。
広島県呉市で同様の詐欺事件
高校生が被害に遭い、2千円をだまし取られた。社会経験の乏しい若年層が狙われるケースも報告されている。
栃木県小山市で本件発生
40代の男2人組が偽の書類を使い1万5千円を詐取。被害者がパトカーを呼び止めたことで発覚した。
栃木県警が事件を発表
小山署が詐欺事件として捜査を開始し、警察官がその場で現金を徴収することはないと注意喚起を行った。
施行からわずか1か月余りで複数の被害が出ている現状は、新制度の周知が十分に進んでいないことを浮き彫りにしている。特に今回のケースでは、犯人が本物に酷似した偽造書類を用意するなど手口が巧妙化しており、警察は路上で現金の支払いを求められても絶対に応じないよう呼びかけている。