作家の柚木麻子氏が、ベストセラー小説「BUTTER」の版権を新潮社から引き上げ、河出書房新社へ移動させることを自身のインスタグラムで発表した。国内累計63万部(2024年2月時点、電子書籍含む)、海外累計約100万部を発行した同作の版権移動は、出版業界で大きな注目を集めている。※画像はイメージです## 「週刊新潮」コラム問題が引き金に版権移動の背景にあるのは、「週刊新潮」2023年7月31日号に掲載されたコラム「創氏改名2・0」の問題である。同コラムでは、作家の深沢潮氏らが名指しで差別的表現を受けたとされ、深沢氏は当該コラムの内容が名誉感情を侵害したとして新潮社側を提訴している。柚木氏はインスタグラムで「作家として、自分にできる具体的なアクションは何か。検討を重ねた結果、新潮社様における複数の版権のうち、一作を他社へ移動するという選択に至りました」とコメントした。## 河出書房新社が新たな版元に新たに「BUTTER」の版元となる河出書房新社は「柚木さんのご意向を踏まえて、読者の皆さんにご迷惑をおかけしないように、新潮社さんと協議を続け、合意した」と説明。海外版権の調整も河出書房新社が引き継ぐことになる。2024年6月中旬には河出文庫から「BUTTER」新装版が刊行される予定である。## 国内外で評価される「BUTTER」「BUTTER」は2017年に刊行された小説で、国内では累計63万部を発行。海外でも英国を中心に約100万部を発行しており、国際的にも高い評価を受けている作品である。「BUTTER」刊行
新潮社から小説「BUTTER」が刊行された。実在の事件をモチーフにした内容が話題を呼び、国内外でベストセラーとなった。
「週刊新潮」に問題のコラム掲載
「創氏改名2・0」と題するコラムで深沢潮氏らが名指しされ、差別的表現が問題視された。深沢氏は名誉感情を侵害されたとして新潮社を提訴した。
柚木麻子氏が版権引き上げを発表
自身のインスタグラムで「BUTTER」の版権を新潮社から河出書房新社へ移動すると表明。作家としての具体的なアクションであると説明した。
河出文庫から新装版刊行予定
河出書房新社から「BUTTER」新装版が文庫として刊行される。同社は新潮社との協議を経て、海外版権の調整も引き継ぐことで合意している。
なお、柚木氏が新潮社に保有する「BUTTER」以外の作品の版権について、今後の扱いは明らかにされていない。深沢氏による訴訟の具体的な進捗状況も現時点では不明である。