2026/4/26
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経済

ホルムズ海峡情勢悪化後初、米国産原油91万バレルが日本に到着

要約

コスモ石油が中東情勢の緊迫化を受けて調達した米国産原油が、パナマ運河を経由する代替ルートで日本に到着した。ホルムズ海峡を回避する米国産原油の輸入は情勢悪化後で初となり、調達先の多様化を示す事例となった。

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情勢悪化後初の米国産原油が日本到着

イラン情勢の悪化によりホルムズ海峡からの原油輸送が困難となるなか、代替ルートで調達された米国産原油が4月26日、日本に到着した。ホルムズ海峡を経由しない代替調達としての米国産原油の日本到着は、情勢悪化後初めてとなる。

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※画像はイメージです

到着した原油は約91万バレル。パナマ運河を通過可能なサイズのタンカーで輸送され、3月22日に米国テキサス州を出発していた。約1カ月をかけての航海となった。

コスモ石油の製油所へ海底パイプラインで輸送

今回の原油調達を実施したのは石油元売り大手のコスモ石油である。到着した原油は、海底パイプラインを通じてコスモ石油の製油所へ送られる予定だ。

日本は原油輸入の約9割を中東に依存しており、ホルムズ海峡の封鎖は長年にわたりエネルギー安全保障上の最大の懸念事項とされてきた。今回の到着は、中東依存からの脱却を図る調達先多様化の具体的な一歩として位置づけられる。

代替調達ルートの実現が持つ意味

ホルムズ海峡は、世界の原油輸送量の約2割が通過するエネルギー輸送の要衝である。その封鎖により、日本を含む各国はエネルギー供給網の再構築を迫られている。

米国はシェール革命以降、原油生産量を大幅に増加させており、テキサス州は米国国内の原油生産の約43%を占める主要生産州である。米国産原油はホルムズ海峡を通らずに太平洋ルートで輸送できるため、地政学リスクの回避に寄与する。

今回使用されたタンカーは、大型タンカーと比較して小型のパナマ運河通過型であった。パナマ運河は米国メキシコ湾岸とアジアを結ぶ重要な航路であり、拡張工事の完了により、より大型のタンカーの通過が可能となったことで代替輸送ルートとしての重要性が高まっている。

コスモ石油は2016年にも米国産原油の輸入を日本で初めて行った実績がある。今回の調達は、中東情勢の緊迫化を受けた措置であると同時に、長期的な調達戦略の一環でもある。