2026/4/28
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スポーツ

日本水連、資格停止中の選手にエントリー仮申請を容認 JADAは懸念示す

要約

日本水連が3月の常務理事会で策定した新内規により、資格停止中だった選手1名が日本選手権に出場しアジア大会代表権を獲得した。JADAは資格停止期間中のエントリー自体を認められないとする見解を示している。

JADAアジア大会アンチ・ドーピング日本水連競泳

日本水泳連盟(日本水連)が、ドーピング違反などで資格停止処分中の選手であっても、競技会前日までに処分期間が終了する場合に限り、エントリーの仮申請を認める新たな内規を策定していたことが28日、明らかになった。2026年3月4日の常務理事会で決定され、同月19日から22日に開催された愛知・名古屋アジア大会の代表選考会を兼ねた競泳日本選手権で既に運用された。

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この新内規を適用し、申し込み締め切り時点で資格停止処分中だった選手1名が日本選手権に出場。同選手はアジア大会の代表権を獲得した。日本水連幹部は内規策定の理由について「選手の可能性を摘まないため」と説明している。

JADAとの見解の相違

一方、日本のアンチ・ドーピング活動を統括する日本アンチ・ドーピング機構(JADA)は、この運用に対して懸念を示している。JADA幹部は「選手資格には競技会への出場資格も入るので(資格停止期間中は)本来はエントリーも認められていない」と指摘し、日本水連の解釈との間に見解の相違があることを認めた。

資格停止処分中の選手は、処分期間が満了するまで競技活動が制限される。JADAの立場では、エントリー行為そのものも競技活動の一部であり、処分期間中には認められないという解釈だ。日本水連が独自に内規を設けて仮申請を容認したことは、アンチ・ドーピング規定の運用をめぐる新たな論点を生んでいる。

  1. 常務理事会で新内規を決定

    競技会前日までに資格停止期間が終了する場合、エントリーの仮申請を認める内規を策定した。

  2. 日本選手権で新内規を運用

    名古屋アジア大会代表選考会を兼ねた大会で、資格停止中だった選手1名が出場し代表権を獲得した。

  3. 報道により本件が公表

    JADAが見解の相違を指摘していることも併せて明らかになった。

問われるアンチ・ドーピング体制の整合性

今回の問題は、競技団体が独自の内規でアンチ・ドーピング規定の運用を柔軟に解釈できるのかという根本的な問いを突きつけている。日本水連は選手の競技機会を確保する観点から内規を策定したが、JADAが示す厳格な解釈との間には明確な溝がある。資格停止処分の実効性をどう担保するか、競技団体とアンチ・ドーピング機関の間で今後さらなる議論が求められることになりそうだ。