2026/4/29
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経済

ADB、アジア新興国の成長率見通しを4.7%に下方修正 中東情勢悪化が影響

要約

アジア開発銀行は4月29日、2026年のアジア太平洋新興国・地域のGDP成長率見通しを4月10日時点の5.1%から4.7%へ引き下げた。ホルムズ海峡の事実上の封鎖を含む中東情勢の悪化が主な要因とされる。

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ADB、成長率見通しを0.4ポイント引き下げ

アジア開発銀行(ADB)は4月29日、2026年のアジア太平洋新興国・地域のGDP増加率見通しを4.7%に下方修正した。4月10日に公表した前回見通しでは5.1%としており、わずか3週間足らずで0.4ポイントの引き下げとなった。

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※画像はイメージです

修正の主な要因として、中東情勢の悪化が挙げられている。ホルムズ海峡の事実上の封鎖に関連する地政学リスクの高まりが、アジア地域の経済見通しに影を落とした格好だ。

前回見通しは3月10日時点のデータに基づく

4月10日に公表された前回の見通しは、3月10日時点までの経済データを基に作成されていた。その後、中東情勢が急速に悪化したことで、前提条件が大きく変わり、今回の改定に至ったとみられる。

ADBは3月27日の時点で、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が長期化した場合、2026年から2027年にかけてアジア太平洋新興国・地域の経済成長率が最大で1.3ポイント押し下げられるとの推計を公表していた。今回の下方修正幅は0.4ポイントにとどまっているものの、情勢のさらなる悪化によって追加的な下振れリスクが残る状況である。

  1. 前回見通しのデータ基準日

    4月10日に公表された経済見通しに使用された経済データの締め切り日。この時点では中東情勢の急変は織り込まれていなかった。

  2. ホルムズ海峡封鎖の影響推計を公表

    封鎖長期化の場合、アジア太平洋新興国の成長率が最大1.3ポイント押し下げられるとの分析を発表。

  3. 経済見通し(4月版)を公表

    アジア太平洋新興国・地域の2026年GDP成長率を5.1%と予測。3月10日までのデータに基づく内容だった。

  4. 成長率見通しを4.7%に下方修正

    中東情勢の悪化を受け、わずか3週間で0.4ポイントの引き下げ。追加的な下振れリスクも指摘される。

エネルギー供給リスクがアジア経済に打撃

ホルムズ海峡は世界の原油輸送の要衝であり、その封鎖はエネルギー価格の高騰を通じてアジア経済に広範な影響を及ぼす。輸入燃料への依存度が高いアジア新興国にとって、原油価格の上習はインフレ圧力の高まりや金融環境の引き締めにつながり、経済成長の足かせとなる。

ADBはマニラに本部を置く国際金融機関で、定期的にアジア太平洋地域の経済見通しを公表している。2025年12月には2026年の成長率を4.6%と予測していたが、その後の上方修正を経て4月10日に5.1%としていた。今回の改定により、当初の予測水準に近い4.7%へと引き戻された形だ。

中東情勢の今後の推移次第では、見通しがさらに下振れする可能性もあり、アジア経済の先行きに不透明感が増している。