英投資ファンドAVI、ロート製薬・山田会長の解任求める株主提案を提出
要約
約2%の株式を保有する英アクティビストファンドが、1999年から経営トップを務める創業家出身会長の長期支配と再生医療事業の継続を問題視し、6月の定期株主総会に向けて解任議案を提出した。
英投資ファンドのアセット・バリュー・インベスターズ(AVI)が、ロート製薬の山田邦雄会長の取締役解任を求める株主提案を提出したことが明らかになった。6月に開催予定の定期株主総会に向けた議案で、創業家出身の会長による長期的な経営支配が企業価値を損なっていると主張している。
AVIが問題視する「経営の歪み」
AVIはロート製薬の株式を約2%保有する英国の投資ファンドである。同ファンドは、山田氏が1999年以降、社長または会長の職務に一貫して就いていることを指摘し、「創業家が会社の経営を実質支配している」と批判した。
さらにAVIは、収益化の道筋が見えない再生医療事業を継続していることについて「経営がゆがめられている」と主張。収益性の低い事業へのリソース配分が、企業全体の成長を阻害しているとの認識を示した。
2024年の投資開始から段階的に圧力強化
AVIとロート製薬をめぐる動きは、2024年にAVIがロート製薬への投資を開始したことに端を発する。2025年春には再生医療事業の撤退・縮小を求めるキャンペーンを実施し、経営陣に対する働きかけを強めてきた。
山田邦雄氏が社長に就任
以来、社長または会長として四半世紀にわたり経営トップの座を維持している。
AVIがロート製薬への投資を開始
英国拠点のアクティビストファンドが株式約2%を取得し、経営改善への関与を開始した。
再生医療事業の撤退・縮小を要求
AVIがキャンペーンを展開し、収益性の低い再生医療事業からの撤退を求めた。
会長解任の株主提案を公表
対話が進展しないと判断したAVIが、山田会長の取締役解任議案の提出を明らかにした。
今回の解任提案は、こうした段階的な働きかけの末に踏み切られた形だ。5月30日夜にAVIが山田会長の解任議案提出を公表した。
株主総会の行方に注目
定期株主総会は6月に開催される予定で、山田会長の解任議案が審議される見通しである。ただし、AVIの保有比率は約2%にとどまっており、提案の可決には他の株主からの広範な支持が不可欠となる。
ロート製薬側の公式な見解は現時点で明らかになっていない。創業家経営の是非や再生医療事業の将来性をめぐり、株主総会での議論の行方が注目される。