2026/5/3
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経済

日中韓ASEAN財務相会議、中東紛争の経済リスクに懸念表明 共同声明を採択

要約

ウズベキスタンのサマルカンドで開催されたASEAN+3財務相・中央銀行総裁会議は、中東紛争の激化が地域経済の下方リスクを高めていると明記した共同声明を採択した。災害リスクファイナンス事務局のアジア開発銀行への新設や、日本のエネルギー協力枠組みを歓迎する方針が示された。

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共同声明で中東紛争リスクを明記

日中韓とASEAN各国の財務相・中央銀行総裁会議が2026年5月3日、ウズベキスタンのサマルカンドで開催され、共同声明を採択した。声明には「中東における紛争の激化は地域経済の見通しに対する下方リスクを大きく高めている」と明記され、紛争長期化によるエネルギー価格、物流、食料価格、観光への影響が指摘された。

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※画像はイメージです

日本からは片山さつき財務相と氷見野良三日銀副総裁が出席した。日本はフィリピンとともにASEAN+3の共同議長を務めた。共同声明ではさらに「多国間主義を堅持すること、地域の結束と協力を一層強化することの重要性を強調する」との文言が盛り込まれた。金融市場については「国内事情に沿って適切に対応する用意がある」との姿勢も示された。

災害リスクファイナンス事務局をADBに新設

会議では、災害リスクファイナンス(DRF)の事務局をアジア開発銀行(ADB)に新設することに正式合意した。アジア太平洋地域では自然災害が頻発しており、災害時の資金調達メカニズムを地域全体で整備する狙いがある。会議はADB年次総会に合わせて開かれた。

サプライチェーン強化で「パワー・アジア」を歓迎

共同声明では、高市早苗首相が打ち出した資源供給協力枠組み「パワー・アジア」を例示し、サプライチェーン強化の取り組みを歓迎する姿勢が示された。中東情勢の不安定化を背景に、アジア地域におけるエネルギー・資源供給網の強靱化が喫緊の課題となっている。

ASEAN+3の枠組みでは、1997年のアジア通貨危機を教訓に地域金融協力が進められてきた。今回の会議では、中東紛争という新たなリスク要因に対し、地域が一体となって対応していく方針が改めて確認された形だ。