2026/5/22
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社会

東大病院汚職事件、元特任准教授に懲役1年執行猶予2年の判決 接待総額196万円

要約

東京大学大学院の共同研究をめぐる収賄事件で、東京地裁は元特任准教授の吉崎歩被告に有罪判決を言い渡した。CBD(カンナビジオール)研究の見返りに、高級クラブなどで約196万円相当の接待を受けていた。

CBD刑事裁判収賄東京大学汚職事件

東京大学大学院医学系研究科での共同研究をめぐり、収賄罪に問われた元特任准教授の吉崎歩被告(46)に対し、東京地裁(池上弘裁判長)は11月22日、懲役1年執行猶予2年、追徴金約196万円の有罪判決を言い渡した。検察側の求刑は懲役1年2カ月、追徴金約196万円だった。

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※画像はイメージです

高級クラブやソープランドで計196万円の接待

判決によると、吉崎被告は2023年から2024年にかけて、一般社団法人日本化粧品協会の元代表理事・引地功一被告(52)から、東京都内の高級クラブやソープランドで計約196万円分の接待を繰り返し受けていた。

引地被告は、大麻草由来成分「カンナビジオール(CBD)」の有効性を明らかにする共同研究を東大側に打診しており、接待はその研究を進める見返りとして行われたとされる。引地被告は贈賄罪で現在公判中である。

「師弟関係」めぐり検察・弁護側が対立

公判では、吉崎被告と元教授・佐藤伸一被告(62)との関係が争点の一つとなった。佐藤被告は東大医学部付属病院の皮膚科長で、共同研究の実施権限を持っていた人物であり、収賄罪で起訴されている。

検察側は「吉崎被告は佐藤被告の強い影響下にあった」としつつも、自身も接待を楽しみ主体的に犯行に及んだと主張した。これに対し弁護側は「佐藤被告を師と仰いでおり、異を唱えるのは難しかった。巻き込まれて接待を受けた」と情状酌量を求めていた。

東大の産学連携に問われるガバナンス

本事件は、東京大学が民間と連携して研究を行う「社会連携講座」の制度をめぐって発生した。2023年4月に設置された「臨床カンナビノイド学講座」で吉崎被告が窓口役を担い、引地被告側との接点を持っていた。

佐藤被告の裁判は今後も続く見通しで、東大病院を舞台にした汚職事件の全容解明にはなお時間を要する。大学における産学連携のあり方や、研究倫理に対する管理体制が改めて問われる事態となっている。