福島県警「特別警ら隊」39人を処分 帰還困難区域パトロール手当を不正受給
要約
福島県警は、帰還困難区域でのパトロールを怠りながら職務手当を不正受給したとして隊員39人を処分した。昨年9月からの約半年間で、庁舎での休憩中にパトロールを装った虚偽申告を繰り返し、総額約250万円を不適切に受け取っていた。
福島県警は22日、東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域などをパトロールする特別警ら隊の隊員39人が職務手当を不正に受給していたとして、全員を処分したと発表した。不正受給の総額は約250万円に上る。
庁舎で休憩し虚偽申告を繰り返す
処分の対象となった39人は、昨年9月から今年2月にかけて、実際にはパトロールを実施せず庁舎内で休憩していたにもかかわらず、パトロールを行ったとする虚偽の申告をしていた。帰還困難区域内のパトロールには1人あたり日額約4,000円の手当が支給される仕組みで、これを不正に受け取っていた。
このうち男性巡査部長3人が懲戒処分(戒告)を受けた。3人の不正受給額はそれぞれ約7万5千円から12万2,700円に及ぶ。残る36人については、所属長による口頭注意などの処分となった。
「安心安全につながる実感がなかった」
不正の動機について、一部の隊員は「事件事故のないところでパトロールをしても、安心安全につながる実感がなかった」と説明している。
特別警ら隊は、原発事故による帰還困難区域などの治安維持を目的として編成された部隊で、パトロールや事件・事故発生時の初動対応などを担っている。住民が避難し無人となった区域での防犯活動は、被災地の復興を支える重要な任務と位置付けられてきた。
被災地支援の信頼に影響も
今回の不正受給は、被災地の治安維持という使命を負った部隊で半年近くにわたり常態化していたことになる。39人という処分対象者の規模は、組織的な問題の存在をうかがわせる。不正が発覚した具体的な経緯は明らかにされていない。
帰還困難区域では一部で「特定復興再生拠点区域」として避難指示が解除され、住民の帰還に向けた整備が進む。こうした中で発覚した警察内部の不正は、被災地支援に対する住民や社会からの信頼を損ないかねない事態である。