2026/5/22
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社会

軽井沢バス事故、東京高裁が控訴棄却 運行会社社長ら実刑維持

要約

2016年に15人が死亡した軽井沢スキーバス転落事故で、東京高裁は運行会社社長と元運行管理者の控訴を棄却し、一審の禁錮3年・4年の実刑判決を支持した。裁判所は運転手の技量把握義務を怠った過失を認定した。

交通事故刑事裁判東京高裁業務上過失致死軽井沢バス事故

2016年に長野県軽井沢町で大学生ら15人が死亡したスキーバス転落事故で、東京高裁(吉崎佳弥裁判長)は2024年5月22日、業務上過失致死傷罪に問われたバス運行会社「イーエスピー」社長の高橋美作被告(64)と、当時の運行管理者・荒井強被告(57)の控訴を棄却した。一審の実刑判決がそのまま維持される形となった。\n\n

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※画像はイメージです
\n\n## 「過失なし」の主張退ける\n\n高橋被告には禁錮3年、荒井被告には禁錮4年の一審判決が言い渡されていた。被告側はいずれも「過失はなかった」として無罪を主張し控訴していたが、東京高裁はこれを退けた。\n\n判決で裁判所は、被告らが実技試験等を通じて運転手の技量を把握し、適切に訓練する義務を怠ったと認定した。事故を起こした運転手(当時65歳、事故で死亡)は、入社するまでの約5年間にわたり大型バスを運転していなかった。入社は事故のわずか約2週間前であり、さらに事故の約1週間前には、ハンドルやギア操作を誤って運転を交代させられる事案も起きていた。\n\n## 時速96キロでカーブに進入\n\n事故は2016年1月15日午前1時50分ごろ、長野県軽井沢町の国道18号で発生した。東京から長野方面へ向かっていた貸切バスが、カーブを曲がりきれずに道路脇に転落。乗員・乗客のうち15人が死亡し、26人が重軽傷を負った。事故直前、バスは時速96キロまで加速した状態でカーブに進入していた。\n\n
  1. 運転手がイーエスピーに入社

    約5年間大型バスを運転していなかった運転手が採用された。

  2. 運転手が操作ミスで交代

    ハンドルやギア操作を誤り、運転を交代させられる事案が発生していた。

  3. 軽井沢バス転落事故が発生

    午前1時50分ごろ、国道18号のカーブで転落。15人が死亡、26人が重軽傷を負った。

  4. 東京高裁が控訴棄却

    一審の実刑判決を支持。社長に禁錮3年、元運行管理者に禁錮4年が維持された。

\n\n## 安全管理の不備が焦点に\n\n裁判の争点は、運行会社側が運転手の技量不足を認識し得たかどうか、そして事故を防ぐための適切な措置を講じていたかという点にあった。裁判所は、大型バスの運転経験にブランクがあり、実際に操作ミスも起こしていた運転手に対し、十分な技量確認や訓練を行わないまま運行に従事させた被告らの管理体制に重大な過失があったと判断した。\n\n事故で亡くなった15人の多くは大学生だった。事故から8年を経て言い渡された控訴審判決は、運行会社の安全管理責任を改めて厳しく問うものとなった。被告側が最高裁に上告するかどうかは、現時点で明らかになっていない。