ノルディック複合、ミラノ五輪で唯一の「男子のみ」競技――存続の岐路に
要約
ミラノ・コルティナオリンピックで、ノルディック複合だけが女子種目を持たない唯一の競技となっている。国際大会では女子競技が発展する一方、五輪では男女平等の潮流と逆行する状況が続き、競技の存続そのものが問われている。
唯一の「男子のみ」競技
ミラノ・コルティナオリンピックにおいて、ノルディック複合は女子種目が設けられていない唯一の競技となっている。五輪全体で男女平等が推進されるなか、男子だけで実施される競技が残っている現状は異例だ。
男女平等の潮流と逆行
オリンピックでは近年、ジェンダーパリティの実現が大きなテーマとなっている。2024年のパリ大会では史上初めて男女同数の選手配分が実現し、大半の競技で男女平等が達成された。こうした流れのなかで、ノルディック複合が男子のみという状況は際立った例外となっている。
女子ノルディック複合は国際大会レベルでは着実に発展を遂げてきた。2021年から世界選手権で正式種目化され、ワールドカップも2020-21シーズンから開始。2025年の世界選手権では日本の葛西優奈が女子初の金メダルを獲得するなど、競技レベルの向上は明らかだ。それにもかかわらず、五輪の舞台には女子選手の姿がない。
存続そのものが問われる事態
ノルディック複合は男女平等の観点などから、競技の存続自体が岐路に立たされている。1924年のシャモニー大会から100年以上にわたって冬季五輪の歴史とともに歩んできた伝統競技だが、現代の価値観との整合性が厳しく問われる局面を迎えた。
2023年にはノルウェー・オスロでのワールドカップ最終戦で、複数の女子選手が顔に髭を描いてレースに出場し、「男性になればオリンピックに出られるのか」と抗議の意思を示す一幕もあった。選手たちの声は国際的な注目を集め、制度の矛盾を浮き彫りにしている。
伝統と平等のはざまで、ノルディック複合がどのような道を選ぶのか。ミラノの雪上で繰り広げられる競技の行方とともに、その答えが注視されている。