ウクライナ選手のヘルメット問題、CASが失格取り消しの訴えを棄却
要約
ミラノ・コルティナ冬季五輪のスケルトン競技で戦死者追悼のヘルメットを着用し失格となったウクライナのヘラスケビッチ選手による異議申し立てを、スポーツ仲裁裁判所が退けた。
CASウクライナスケルトンスポーツ仲裁ミラノ五輪
CASが請求を棄却
スポーツ仲裁裁判所(CAS)は2月13日、ウクライナのスケルトン選手ウラジスラフ・ヘラスケビッチの失格処分取り消しを求める訴えを退けた。ヘラスケビッチはミラノ・コルティナ冬季オリンピックで、ロシアの軍事侵攻により犠牲となった同胞アスリートを追悼するヘルメットを着用して競技に臨み、失格処分を受けていた。
五輪憲章との衝突
国際オリンピック委員会(IOC)は、五輪憲章が定める政治的主張の禁止規定に基づき、ヘラスケビッチに対して失格処分を科した。IOC側は代替手段として黒の腕章の着用を提案したが、選手側はこれを拒否していた。
ヘラスケビッチはこの処分を不服として、スポーツ紛争の最終的な仲裁機関であるCASに異議を申し立てたが、CASはこの請求を棄却する判断を下した。
選手の表現と競技中立性の境界
IOCは「いかなる広告、主義思想の宣伝も身体、競技ウエア、アクセサリーに表示してはならない」とする厳格な規則を維持している。一方、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻以降、ウクライナのアスリートによる追悼や表現と、競技における中立性のバランスをめぐる議論は続いている。
27歳のヘラスケビッチは、戦禍で命を落とした仲間への追悼の意を示す姿勢を貫いてきたが、スポーツの国際的な枠組みの中ではその表現が認められない結果となった。