大阪都構想、市議会への法定協設置議案の提出を見送り 3回目の住民投票に暗雲
要約
横山英幸大阪市長が2・3月市議会での法定協議会設置議案の提出見送りを表明した。維新市議団内の慎重論が背景にあり、府議会側が議案を可決しても市側が提案しなければ法定協は設置できない構図が浮き彫りになった。
横山市長が提出見送りを表明
大阪市の横山英幸市長は2月8日、自身のX(旧ツイッター)で、大阪都構想の法定協議会設置に関する条例案について、2月27日閉会予定の2・3月大阪市会定例会での提案を見送る方針を明らかにした。3回目の住民投票をめざす都構想の実現に向けた手続きは、出だしからつまずく格好となった。
横山市長は「引き続き出来ることから進め設計図づくりのため法定協議会の設置を目指します」と述べ、あくまで法定協設置自体を断念したわけではないとの立場を示した。
府と市で異なる対応
法定協議会の設置には、大阪府と大阪市の両議会で設置議案を可決する必要がある。大阪府の吉村洋文知事は2月9日に府議会へ設置議案を提出する予定で、府側は手続きを進める構えだ。しかし、市側が提案しない限り、たとえ府議会で可決されても法定協は設置できない仕組みとなっている。
日本維新の会は府市両議会で過半数を握っており、議案を提出すれば可決は確実な情勢だ。それにもかかわらず市側が見送りに至ったのは、維新市議団内に根強い慎重論が存在するためである。
市議団内の慎重論が壁に
市議団が慎重姿勢を崩さない背景には、前回の市議選で都構想を公約に掲げていなかったという事情がある。公約に掲げずに当選した議員が、有権者への説明なく法定協設置に踏み切ることへの抵抗感が市議団内に広がっている。
横山市長としては、市議団の理解を得られないまま議案を提出すれば、身内から反発を招き、今後の都構想推進そのものに支障をきたしかねないと判断したとみられる。府議会と市議会の足並みが揃わない状況は、3回目の住民投票に向けた道のりが容易でないことを改めて浮き彫りにした。