2026/4/2
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政治

子育て世帯の「純負担率」、年収540万円未満で欧米平均超え 政府が国際比較試算を公表

要約

政府は社会保障国民会議で、消費税も加味した子育て世帯の税・社会保険料負担の国際比較試算を公表した。世帯年収540万円未満の層で日本の純負担率が欧米4カ国平均を上回り、給付付き税額控除の導入議論の重要な基礎資料となる。

少子化対策社会保障国民会議税制改革給付付き税額控除翁カーブ

2026年4月2日、政府は社会保障国民会議において、子育て世帯の税・社会保険料負担から現金給付を差し引いた「純負担率」の国際比較試算を公表した。世帯年収540万円未満の子育て世帯では、日本の純負担率が米国・英国・ドイツ・フランスの欧米4カ国平均を上回ることが明らかになった。

Government building
※画像はイメージです

今回の試算は、従来の所得税・社会保険料に加え、消費税の負担も加味した点が特徴だ。2023年に日本総合研究所の翁百合シニアフェローが公表した直接税と社会保険料を対象とした国際比較分析を発展させた形で、「政府版翁カーブ」と位置づけられる。

特に400万円台の所得層では、収入増に伴う負担率の上昇度合いが欧米と比較して顕著に高いことが示された。540万円はフルタイムで働く日本の1人当たり平均年収にあたる。

一方、世帯年収が540万円を超えると、収入増に伴う負担の伸びは緩やかになり、欧米平均を下回る。また、25歳単身世帯ではほとんどの年収層で負担率が欧米4カ国平均を下回るモデルケースとなっており、子育て世帯に負担が偏る構造が浮き彫りとなった。

75歳以上の高齢者世帯については、全ての年収層で給付が負担を上回っている。高齢者世帯を給付付き税額控除の対象に含めるかどうかは、今後の論点となる。

2日の会議では委員から「就労促進や子育て支援の観点をいれるべきだ」「所得に応じて手取りが増えるようにすべきだ」との意見が出された。

高市早苗首相は政権として給付付き税額控除の導入を掲げており、今回の試算は制度設計に向けた基礎資料となる。大和総研の是枝俊悟主任研究員は年末調整などの既存インフラの活用を提唱しているが、具体的な制度設計への落とし込みは今後の課題だ。