成年後見制度を抜本見直しへ 「補助人」に一本化、利用期間の限定も可能に
要約
政府は現行の後見人と保佐人を廃止し、補助人に一本化する民法改正案を閣議決定しました。利用期間を必要な期間に限定できるようにするなど、本人の意向を尊重した柔軟な制度への転換を目指します。
民法改正案を閣議決定
政府は3日、成年後見制度を抜本的に見直す民法改正案を閣議決定した。現行制度の「後見人」「保佐人」を廃止し、「補助人」に一本化する。利用期間を「必要な期間だけ」に限定することが可能となり、一度始めると原則として終身利用が続く現行の仕組みから大きく転換する。
2025年末時点での利用者数は約25万7千人で、このうち7割が「後見人」を利用している。現行の利用者は、制度を継続するか新制度に移行するかを選択できる。
本人の意向を尊重する仕組みへ
改正案では、補助人の選任時に本人の意見を考慮し、本人の意向を尊重することを条文で明確化する。不正がなくても適切なサポートがない場合に補助人を解任できる規定も新たに追加される。サポート役の選定や権限の付与、監督、利用終了の判断などは家庭裁判所が行う。
預金の払い出しや大規模リフォームなど11の財産関連行為については「特定補助」の対象となり、この仕組みを設ける際には2人以上の医師の診断が必要となる。
国連勧告を受けた制度転換
国連の障害者権利委員会は2022年、日本の現行制度の廃止を勧告していた。今回の見直しは、本人の自己決定権を重視する国際的な潮流に沿った対応となる。
改正案にはこのほか、パソコンやスマートフォンで遺言書を作成・保管できる「デジタル遺言書」を可能にする遺言制度の見直しも盛り込まれた。
成年後見制度の施行
介護保険制度と同時にスタートしたが、終身利用が原則で、利用者が本人の意思を十分に反映しにくい課題が指摘されてきた。
国連障害者権利委員会が廃止勧告
意思決定を代行する制度として、障害を理由に法的能力を制限する差別的な仕組みだと指摘された。
利用者数約25万7千人
利用者の7割が後見人類型。認知症高齢者が増加する中、本人のニーズに合わせた柔軟な利用が求められてきた。
民法改正案を閣議決定
後見人・保佐人を廃止し補助人に一本化。必要な期間だけの利用を可能にするなどの抜本改革案。