オンラインカジノ摘発、2025年は158事件で前年比約3倍に急増
要約
警察庁が23日に発表した統計によると、2025年のオンラインカジノ摘発件数は158事件と前年の約3倍に急増した。法改正による違法性の認識拡大や、決済代行業者・アフィリエイターへの取り締まり強化が摘発急増の背景にある。
警察庁は23日、2025年の1年間におけるオンラインカジノ関連の摘発件数が158事件に上り、前年の約3倍に急増したと発表した。利用者の摘発人数は196人で、前年から54人増加した。決済代行業者やSNS宣伝者(アフィリエイター)など運営側の摘発も25件に達しており、利用者・運営者の双方に対する取り締まりが強化されている実態が明らかになった。
改正法の施行が摘発増加を後押し
摘発件数が前年比約3倍に膨らんだ背景には、法整備の進展がある。昨年9月に改正ギャンブル等依存症対策基本法が施行され、オンラインカジノを含む違法オンラインギャンブルサイトの提示や、それらに誘導する情報発信行為が明確に禁止された。警察庁は「法改正が周知され、違法性の認識の広まりが、摘発の増加につながった」としている。
利用者による自主申告や匿名通報の増加も、摘発件数を押し上げた要因として挙げられている。違法性への認識が社会全体で高まったことで、情報提供のハードルが下がった形だ。
著名人の摘発やアフィリエイターへの追及も
昨年はプロ野球選手やお笑い芸人が相次いで摘発されるなど、オンラインカジノの利用が幅広い層に広がっている現状も浮き彫りになった。また、昨年2月には大阪府警が海外拠点のオンラインカジノサイトに関連する摘発を実施している。
運営側への取り締まりも厳しさを増しており、決済代行業者に加え、SNS上でオンラインカジノを宣伝して報酬を得るアフィリエイターも摘発対象となっている。運営側の摘発25件は、従来の利用者中心の取り締まりから、資金の流れや宣伝構造にまで踏み込んだ捜査へと軸足が移りつつあることを示している。
依存症対策と取り締まりの両輪が課題
警察庁の調査では、国内のオンラインカジノ利用者は約337万人、年間の賭け金は約1.2兆円と推計されている。利用経験者の約43%が違法性の認識がなかったとする調査結果もあり、法改正による啓発効果が今後どこまで浸透するかが注目される。
店舗型の賭博に比べてオンラインカジノは実態の把握が難しいとされてきたが、決済代行業者やアフィリエイターを端緒とした捜査手法の確立が、摘発の加速につながっている。ギャンブル依存症対策と違法行為の摘発を両輪で進められるかが、今後の焦点となる。