東大大学院汚職事件、贈賄側の引地被告が初公判で起訴内容認める
要約
東京大学大学院の共同研究を巡る汚職事件で、贈賄罪に問われた日本化粧品協会代表理事の引地功一被告が東京地裁の初公判に臨み、起訴内容を認めた。弁護側は元教授らによる接待の強要があったと主張している。
東京大学大学院の共同研究を巡る汚職事件で、贈賄の罪に問われている一般社団法人日本化粧品協会代表理事の引地功一被告の初公判が2026年4月23日、東京地裁で開かれた。引地被告は起訴内容を認めた。
本事件は、東大大学院医学系研究科の元教授・佐藤伸一被告と元特任准教授・吉崎歩被告が、共同研究における便宜供与の見返りとして引地被告から接待を受けていたとされる収賄事件だ。引地被告は贈賄側として起訴されている。
初公判後、引地被告と弁護人の高安聡弁護士による記者会見が行われた。高安弁護士は、事件の構図について「(東大の教授らによって)夢が人質に取られたことが事件の本質」と述べ、元教授らの側から接待や金銭支払いの強要があったと主張した。
高安弁護士はさらに、「接待をしないと契約書に書かれたことすらやってもらえないという異常な状況下で、恐怖と焦燥から応じ続けていた」と説明。元教授らの要求がエスカレートしていった経緯について「いわゆるたかりみたいな形になってきました」と表現し、引地被告が断れない立場に追い込まれていたとの認識を示した。
日本化粧品協会は、東京大学と佐藤元教授に対して約4200万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こしている。また、引地被告側は強要および恐喝未遂の容疑で刑事告訴状も提出しており、刑事・民事の両面で争いが続いている。
収賄側とされる佐藤被告および吉崎被告の認否や主張内容については、現時点で明らかになっていない。引地被告が支払ったとされる接待費や立て替え費用の具体的な総額も公表されていない。
東京大学では、外部委員会が大学のガバナンス機能について「組織全体の自浄作用が著しく不足している」と指摘しており、国際卓越研究大学への認定申請を目指す中で相次ぐ不祥事への対応が問われている。