2026/4/24
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社会

「Zoom」ロゴが商標権侵害、東京地裁が運営企業側に賠償命令

要約

音響機器メーカーの株式会社ズームによる提訴を受け、東京地裁はオンライン会議システム「Zoom」のロゴの類似性を認定した。コロナ禍での普及に伴うブランド混同が背景にあり、商標権保護の重要性が改めて示された。

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東京地裁、ロゴの類似性を認定

音楽用電子機器メーカーの株式会社ズームが、オンライン会議システム「Zoom」の運営企業などを商標権侵害で訴えた裁判で、東京地方裁判所は4月24日、運営企業側に賠償を命じる判決を言い渡した。裁判所は、オンライン会議システムのロゴが原告である株式会社ズームのロゴと類似していると認定した。

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※画像はイメージです

株式会社ズームは1983年創業の音響機器メーカーで、「ZOOM」ブランドのエフェクターやレコーダーなどを製造・販売している。同社は自社製品に関連して「ZOOM」の商標登録を行っており、オンライン会議システム側のロゴ使用が自社の商標権を侵害しているとして提訴していた。

コロナ禍の普及が背景に

オンライン会議システム「Zoom」は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワークの普及を追い風に、世界的に利用者を急増させた。サービスの知名度が飛躍的に高まる中で、両社の名称やロゴが類似していることが問題として浮上した経緯がある。

株式会社ズームは、商標権が法的に保護されるべき知的財産であることの確認を訴訟の目的に掲げ、和解金での解決を排除する姿勢を示していたとされる。同社には、オンライン会議サービスに関する問い合わせが殺到するなどの混乱も生じていた。

賠償額や控訴の有無は不明

今回の判決で裁判所が命じた具体的な賠償金額は明らかになっていない。また、被告側が控訴するかどうかについても現時点では不明である。

「ZOOM」の商標をめぐっては、文具メーカーのトンボ鉛筆も過去に同商標を登録していたことがあり、複数の企業間で権利関係が複雑に絡み合う構図となっている。オンライン会議システムの運営企業は2024年11月に社名を変更し、AI技術を活用した総合的なワークプレイスソリューション企業への転換を進めている。

グローバル化やデジタル化の進展に伴い、類似商標をめぐる企業間の権利侵害訴訟は増加傾向にあり、特にIT分野では消費者の混乱やブランドイメージへの影響が課題となっている。今回の判決は、国内外の企業間における商標権保護のあり方に改めて注目を集めることになりそうだ。