将棋連盟検討委、妊娠・出産時の対局規定で最終答申 一律の出場禁止設けず柔軟対応へ
要約
日本将棋連盟の検討委員会は、タイトル戦出場者の妊娠・出産に関し、一律の出場禁止を設けず柔軟に対応する最終答申をまとめました。産後6週間の出場制限や、対局環境への配慮、翌期の「特別の地位」付与の検討などが盛り込まれています。
日本将棋連盟は30日、タイトル戦出場者の妊娠・出産への対応を検討してきた「公式戦番勝負対局規定検討委員会」の最終答申を発表した。答申では、産前・産後に一律の出場禁止期間を設けず、柔軟に対応する制度設計が適当であるとの結論が示された。一方で、産後6週間については出場制限期間とする。
検討委員会は弁護士や医師、棋士ら9人で構成され、委員長は弁護士で連盟非常勤理事の伊丹俊彦氏が務めた。今年1月に討議を開始し、3月末に中間報告を経て、今回の最終答申に至った。
福間女流五冠が不戦敗に
出産前後の休場によりタイトル戦で不戦敗となり、棋戦運営における制度上の課題が表面化しました。
新規定を施行
産前6週・産後8週の出場禁止などを定める規定が導入されましたが、当事者から異論が出る形となりました。
福間女流五冠が要望書提出
規定見直しを求める要望書を提出。連盟は謝罪し、即座に規定の一部を削除しました。
検討委員会が討議開始
弁護士・医師・棋士ら9人の委員による専門的な見地からの議論が本格化しました。
中間報告を発表
日程調整の柔軟化や、出場困難時の翌期への特別な地位付与など、制度の骨子となる方向性が示されました。
最終答申を発表
一律の出場禁止を設けない柔軟な制度設計を適当とし、産後6週の制限期間などを定める結論がまとまりました。
対局環境の配慮と申告窓口の新設
最終答申には、対局者への具体的な配慮も盛り込まれた。椅子での対局や、和装ではなく洋装での対局を認めるなど、対局環境面での柔軟な対応が明記されている。また、妊娠14週までに日程調整の申告を行うための専用窓口を設けることも定められた。
連盟常務理事で検討委員会の事務局を担当した糸谷哲郎九段のもと、具体的な運用面の整備が進められてきた。
翌期への特別の地位付与を検討
答申ではさらに、妊娠・出産によりタイトル戦への出場が困難となった場合について、翌期に特別の地位を付与することを検討することが望まれると言及された。ただし、その具体的な内容については明示されておらず、今後の検討課題として残された。また、金銭面の補償に関する具体的な基準や金額についても、各主催者との協議で決定されるとしている。
一連の経緯は、一昨年に福間香奈女流五冠が出産前後の休場によりタイトル戦で不戦敗となったことに端を発する。昨年4月には産前6週・産後8週の出場禁止を定める新規定が施行されたが、昨年12月に福間女流五冠が規定見直しを求める要望書を提出。連盟は謝罪のうえ規定の一部を削除し、検討委員会を設置して制度の抜本的な見直しに着手していた。