2026/5/9
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国際

米国際貿易裁判所、全世界一律10%関税を違法と判断 政権の通商政策に打撃

要約

米国際貿易裁判所は、米政権が計画していた全世界一律10%の関税措置を違法とする判断を下しました。この判決は、米国の保護主義的な通商政策の法的正当性に疑問を投げかけるものとなります。

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米国際貿易裁判所(CIT)が、米政権による全世界一律の10%関税措置を違法と判断したことが明らかになった。貿易訴訟を専門に扱う連邦裁判所が政権の関税政策に違法との判断を示したことで、米国の通商政策に大きな影響を及ぼす可能性がある。

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※画像はイメージです

米国際貿易裁判所はニューヨーク州マンハッタンに所在し、関税法および国際貿易法に関する民事訴訟を一審で審理する連邦裁判所である。今回の判断は、米政権が打ち出した全世界を対象とする一律10%の関税率について、法的に認められないとしたものだ。

保護主義的政策の法的正当性に疑問符

米政権はこれまで、国際緊急経済権限法(IEEPA)などを根拠に、保護主義的な関税措置を相次いで発動してきた。貿易赤字の解消や国内産業の保護を局的に掲げ、対象国や品目を拡大する姿勢を示していた。

しかし、こうした関税措置に対しては法的な異議申し立てが続いており、IEEPAに基づく大統領の権限の範囲や、関税を課す根拠の妥当性が裁判の場で繰り返し争われてきた。今回の違法判断も、こうした一連の法的争いの中で出されたものである。

今後の通商政策に不透明感

今回の判断に対しては、不服がある場合に連邦高裁を経て最終的に連邦最高裁に上訴することが可能であり、今後の司法判断の行方が注目される。

米国の関税政策を巡っては、最高裁もIEEPAを根拠とする関税措置について大統領の権限を超えているとの判断を示しており、政権側は代替的な法的根拠への移行を模索しているとされる。ただし、新たな措置も法的な争いの対象となる可能性があり、米国の通商政策には依然として不確実性が漂っている。

第二次世界大戦後に構築されてきた自由貿易体制の中で、米国の保護主義的な通商政策とその法的限界が改めて浮き彫りとなった形だ。今後の動向は世界経済や各国の貿易関係にも大きな影響を与えるものとみられる。