再審開始決定への検察不服申し立て「原則禁止」、法務省が本則明記で調整
要約
法務省は刑事訴訟法改正案において、再審開始決定に対する検察官の不服申し立てを原則禁止する規定を法律の本則に明記する方向で調整に入りました。5月13日に自民党の会合で改正内容を提示する予定です。
法務省は、刑事訴訟法改正案において、再審開始決定に対する検察官の不服申し立てを原則禁止する規定を、法律の本則に明記する方向で調整に入った。5月13日に自民党の会合で改正内容を提示する予定である。
再審制度を巡っては、検察官が再審開始決定に不服を申し立てることで審理が長期化し、冤罪被害者の救済が遅れるケースが問題視されてきた。法務省はこれまで、検察官の不服申し立てを制限する案を検討してきたが、その規定を法律の付則に盛り込むか本則に含めるかが焦点の一つとなっていた。自民党内では本則への明記を求める声が強く上がっており、法務省がこれに応じた形となる。
現行の再審制度は1949年の制定以来、約75年間にわたり実質的な改正がなされていない。条文もわずか19条と簡素で、証拠開示の遅延や検察官による不服申し立てが、冤罪被害者の救済を長期間妨げる要因として指摘されてきた。袴田事件では再審開始決定から再審公判開始までに9年以上を要したとされ、再審制度は「開かずの門」と揶揄されてきた経緯がある。
一方、「原則禁止」における例外規定の具体的な内容は明らかになっていない。改正案の国会提出時期や施行時期の目処も現時点では示されておらず、今後の与党内調整や国会審議の行方が注目される。
検察官の不服申し立てを巡っては、日本弁護士連合会が禁止を求めてきたほか、市民団体も国会前で法務省案への反対行動を展開するなど、冤罪被害者の早期救済を求める声が高まっていた。法務省が本則への明記に踏み込むことで、改正の実効性をどこまで担保できるかが今後の焦点となる。