2026/5/9
nippon-post.com
国内

上野厚労相、南米からの入国者にハンタウイルス媒介動物との接触確認を指示

要約

大西洋を航行中のクルーズ船でハンタウイルス集団感染の疑いが出たことを受け、上野厚労相は検疫所に対し、南米からの体調不良者への接触確認と受診勧奨を指示しました。

ハンタウイルス上野賢一郎厚生労働省感染症水際対策

検疫所に水際対策を指示 上野賢一郎厚生労働相は8日、体調に異常のある南米からの入国者に対し、ハンタウイルスを媒介する齧歯類との接触の有無を確認し、受診を勧めるよう検疫所に指示したことを明らかにした。大西洋を航行中のクルーズ船でハンタウイルスの集団感染が疑われていることが背景にある。
Japanese scenery
※画像はイメージです
上野厚労相は「体調に異常がある南米からの入国者には、ウイルスを媒介する齧歯類との接触を確認し、受診を勧めるよう検疫所に指示した」と述べた。 ## クルーズ船での集団感染疑いが契機 今回の指示は、大西洋上を航行中のクルーズ船においてハンタウイルス感染症の集団感染が疑われている事態を受けたものである。ハンタウイルスは主にネズミなどの齧歯類が保有するウイルスで、感染した齧歯類の排泄物に接触したり、乾燥して飛散した粉塵を吸い込んだりすることで感染する。 南北アメリカ大陸で流行するハンタウイルス肺症候群(HPS)は、重症化した場合の致死率が40~50%に達することもあり、警戒が必要とされている。一方、原則としてヒトからヒトへの感染は起きないとされるが、南米のアンデス株と呼ばれるウイルスではまれに人から人への感染も報告されている。 ## 日本国内での発生状況 日本国内では1984年以降、ハンタウイルス感染症の患者発生は確認されていない。ただし、1960~70年代には大阪で梅田熱と呼ばれた原因不明の熱性疾患が流行し、119人が感染、2人が死亡した事例がある。 専門家は、衛生環境が向上した現在の日本では大規模な感染拡大のリスクは低いとしているが、海外からのウイルス流入の可能性を踏まえた水際対策の強化が求められている。厚生労働省は検疫所を通じ、南米からの入国者に対する注意喚起を進める方針である。