2026/5/14
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社会

大阪メトロ、EVバス不具合で67億円の特別損失計上 担当役員の処分も検討

要約

大阪メトロが導入したEVバス190台に不具合が相次ぎ、2026年3月期決算において約67億円の特別損失を計上しました。万博期間中に停車中のバスが動き出すなどの事故が発生したことを受け、同社は担当役員の処分を検討しています。

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大阪メトロは14日に発表した2026年3月期決算で、導入したEVバスの不具合に関連し計67億円の特別損失を計上しました。複数の関係者への取材で、同社が担当役員の処分を検討していることも明らかになりました。

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※画像はイメージです

190台のEVバスに不具合相次ぐ

大阪メトロは2022年度から2024年度にかけて、北九州市のEVバスメーカー・EVモーターズ・ジャパン(EVMJ)製のEVバス計190台を購入しました。しかし、これらの車両に不具合が相次いで発生しました。万博期間中には停車中のバスが突然動き出す事故が起きるなど、深刻な安全上の問題が顕在化していました。

大阪メトロは3月に当該バスの使用中止を決定しました。14日に発表した決算では、補助金の返還等を含む本件に関連する損失として、67億円を特別損失に計上しています。

  1. EVバス190台を購入

    EVモーターズ・ジャパン製の車両を3年間で計190台導入した。

  2. 走行トラブルや事故が発生

    ブレーキの不備や、停車中のバスが動き出す事態が相次ぎ、安全面の問題が深刻化した。

  3. 全車両の使用中止を決定

    独自の点検で車軸を支える部品の破損などの欠陥を発見。安全性確保が困難として使用を断念した。

  4. 特別損失67億円を計上

    2026年3月期決算を発表。EVバス事業に関連する多額の損失を特別損失として計上。

担当役員の処分を検討

朝日新聞の取材に対し、関係者は「担当役員の処分を検討している」と明らかにしました。処分の具体的な内容や時期、対象となる役員の詳細については現時点で公表されていません。

大阪メトロが購入したバスの製造元であるEVモーターズ・ジャパンは、北九州市に拠点を置くメーカーですが、製造は中国企業に委託されていました。190台ものバスを導入しながら、最終的に全車両が使用中止に追い込まれた経緯について、今後、同社の導入判断の妥当性や品質管理体制のあり方が厳しく問われることになります。

67億円の損失が経営に与える影響

67億円という特別損失の規模は、公共交通事業者にとって極めて大きいものです。大阪メトロは大阪市営地下鉄などを運営する第三セクターであり、EVバスの導入は脱炭素化に向けた取り組みの象徴として進められてきました。当初は万博での来場者輸送に活用される計画でしたが、安全性への懸念から計画は大きく狂う結果となりました。

今回の事態は、全国でEVバスの普及が加速する中、車両の品質やメンテナンス体制の確保がいかに重要であるかを改めて浮き彫りにしています。