連合・芳野会長、裁量労働制の安易な拡大停止を厚労相に要請
要約
連合の芳野友子会長は18日、上野賢一郎厚労相と会談し、裁量労働制の拡大や要件緩和の停止を要請しました。自民党や経団連が規制緩和を求める中、長時間労働の常態化を懸念する労働組合側との対立が鮮明になっています。
芳野会長「安易な拡大は行うべきでない」
連合(日本労働組合総連合会)の芳野友子会長は18日、都内で上野賢一郎厚生労働相と会談し、裁量労働制の対象業務の拡大や導入手続きなどの要件緩和を行わないよう要請した。
芳野会長は会談の中で「対象業務の安易な拡大や、導入手続きなどの要件緩和は行うべきではない」と述べ、制度の拡充に対して明確に反対の立場を示した。
連合はあわせて、変形労働時間制についても「長時間労働の常態化や生活時間の設計を毀損しかねない」とする文書を提出。「時間外労働を推奨する方向での制度・運用の見直しは行うべきでない」と訴え、労働時間制度全般にわたる安易な規制緩和に釘を刺した。
自民・経団連は拡大を求める立場
今回の連合の動きの背景には、自民党や経団連による相次ぐ提言がある。自民党日本成長戦略本部は4月、労働基準監督署が行っている週45時間以内の時間外労働を求める一律指導について緩和するよう、高市早苗首相に提言を行っている。
自民党が労基署指導の緩和を提言
日本成長戦略本部が、週45時間以内の時間外労働に関する労基署の一律指導の緩和を高市首相に提言した。
経団連が裁量労働制の見直しを提言
対象業務の拡大を求める一方、長時間労働防止策や処遇確保の乱用防止策を組み込むべきだと主張した。
連合・芳野会長が厚労相と会談
裁量労働制の安易な拡大停止を要請し、変形労働時間制についても反対の立場を文書で示した。
また経団連は5月13日、裁量労働制の見直しを含む提言をまとめた。対象業務の拡大を求めつつ、「長時間労働防止、処遇確保の乱用防止策を組み込んだ見直しを行うべき」だと主張しており、一定の歯止めを前提とした制度拡充を求める姿勢を示している。
厚労相「丁寧に議論を進めたい」
要請を受けた上野厚労相は「日本成長戦略会議の労働市場改革分科会や労働政策審議会において労使の皆様の意見を伺いながら丁寧に議論を進めていきたい」と応じた。今後の具体的な審議スケジュールや、自民党・経団連の提言が政策にどの程度反映されるかは現時点では明らかになっていない。
裁量労働制を巡っては、柔軟な働き方の推進を掲げる経済界と、長時間労働の助長を懸念する労働界との間で根深い対立が続いている。政府が今後どのような方向性を打ち出すか、労使双方の動きとともに注目される。