国民民主党、「内密出産」制度化へ法案を国会に提出
要約
妊婦が医療機関以外に身元を明かさずに出産できる「内密出産」の制度化に向けた法案が、2026年5月19日に国会へ提出されました。法案は、医療機関の確保や支援体制の充実、子どもの「出自を知る権利」の保障などを柱としています。
国民民主党が内密出産の法制化へ動く
国民民主党は2026年5月19日、妊婦が医療機関以外に身元を明かさずに出産する「内密出産」の制度化に向けた法案を国会に提出した。法的な枠組みが整備されていない現状を改め、母子の安全を守る体制の構築を目指す内容である。
法案には、内密出産に対応できる医療機関の確保や、支援体制の充実を政府に求める内容が盛り込まれている。現在、内密出産をめぐっては法的な根拠がなく、現場の医療機関の判断に委ねられている状況が続いていた。
法整備の空白を埋める狙い
内密出産は、熊本県の慈恵病院が2021年12月に国内で初めて実施し、社会的な注目を集めた。政府は2022年9月にガイドラインを示したものの、法律に基づくものではなく、医療機関側の負担や制度の持続可能性について課題が指摘されてきた。
今回の法案は、こうした制度上の空白を立法措置によって埋め、全国的に統一的な対応を可能にすることを狙いとしている。
子どもの権利と母親の保護の両立が焦点
海外ではフランスやドイツなど、内密出産に関する法制度を持つ国がすでに存在する。ドイツでは2014年に「内密出産法」が施行され、子どもの「出自を知る権利」と母親の身元を保護する仕組みの両立が図られている。
日本でも、児童虐待死の多くが0歳児に集中しており、医療機関外での出生が背景にあるケースが少なくないとされる。内密出産の制度化は、こうした深刻な問題への対応策としても位置づけられている。
法案の具体的な成立の見通しや、医療機関確保に向けた政府の支援内容の詳細は現時点で明らかになっていない。今後の国会審議で与野党の議論が本格化する見通しである。