2026/5/22
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政治

自民党、国旗損壊罪の法案骨子を大筋了承 刑法改正へ議論加速

要約

自民党は5月22日、日本国旗の損壊行為を罰する「国旗損壊罪」の創設に向けた法案骨子を大筋で了承した。現行刑法には外国国旗の損壊に対する罰則はあるが日本国旗にはなく、この不均衡の是正が主な目的となっている。

刑法改正国旗損壊罪自民党表現の自由高市早苗

自民党が国旗損壊罪の法案骨子を大筋了承

自民党は5月22日、日本国旗を損壊する行為を罰する「国旗損壊罪」の創設に向けた法案骨子を大筋で了承した。現行の刑法では外国の国旗を損壊する行為には罰則が設けられている一方、日本国旗については罰則規定がなく、この不均衡の是正が法整備の主な根拠とされてきた。

Capitol building
※画像はイメージです

繰り返されてきた法整備の議論

国旗損壊罪の新設を巡る動きは今回が初めてではない。2012年には当時野党だった自民党が、国旗を侮辱する目的で損壊・除去・汚損した場合に2年以下の懲役または20万円以下の罰金を科す刑法改正案を提出したが、審議未了で廃案となった。この法案提出を主導したのは、高市早苗氏らである。

2021年には自民党保守団結の会が、外国国旗との不均衡を理由に法整備を要請するなど、党内では長年にわたって議論が続いてきた。今回の法案骨子の了承により、長年の懸案だった法整備へ向けた議論が具体化することになる。

表現の自由との兼ね合いが焦点に

法案骨子では、「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法・状態」で日本国旗を損壊する行為を処罰対象とし、罰則は外国国旗損壊罪と同様に2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金とする方向で検討が進められている。損壊の状況を撮影してSNSなどに投稿する行為も処罰対象とする方針だ。

一方で、党内からは表現の自由との関係を懸念する慎重な意見も複数出ている。国旗を燃やす、破るなどの行為が政治的抗議の表現活動とみなされる場合、刑罰による規制が憲法の保障する表現の自由を侵害するのではないかという指摘がある。また、国内で国旗損壊が社会問題化しているという立法事実の有無を疑問視する声や、内心の処罰につながる危険性を指摘する意見もある。

法案骨子の具体的な条文の詳細や、今後の法案提出スケジュール、他党との調整状況については明らかになっていない。自民党はこれらの論点を踏まえ、引き続き協議を進める方針である。