SNSで自殺志願者に接触、男女5人への自殺ほう助罪で懲役5年の判決
要約
福島地裁郡山支部は岸波弘樹被告(36)に対し、SNSを通じて自殺志願者に接触し男女5人への自殺をほう助したとして、懲役5年を言い渡した。被害者は4県にまたがり、うち4人が死亡している。
SNS犯罪刑事裁判福島県自殺ほう助
SNSで接触、男女5人に自殺ほう助
福島地裁郡山支部は6日、男女5人に対する自殺ほう助の罪に問われた福島市の無職、岸波弘樹被告(36)に懲役5年の判決を言い渡した。
岸波被告は2024年6月から2025年1月にかけて、SNS上で自殺願望を示す投稿に接触し、自らも自殺志願者を装って被害者の信頼を得たうえで、練炭やテントを準備するなどして自殺をほう助したとされる。被害者は宮城、山形、福島、埼玉の4県にまたがる10代から20代の男女5人で、うち4人が死亡した。
金銭窃盗やわいせつ行為が動機か
捜査の過程では、岸波被告の犯行動機として金銭の窃盗やわいせつ行為が指摘されている。被告は派遣社員として職を転々としていた経歴を持ち、犯行時は無職だった。約8か月間にわたり複数の県で犯行を重ねていたが、SNS上のやりとりが削除されるなど証拠隠滅の形跡もあり、捜査は難航。少なくとも4回の再逮捕を経て段階的に裁判が進められた。
法定刑の上限に近い量刑
自殺ほう助罪(刑法第202条)の法定刑は6か月以上7年以下の懲役または禁錮である。今回の懲役5年という判決は、法定刑の上限に近い水準となった。複数の被害者に対する犯行が長期間にわたって繰り返されたこと、4人が実際に死亡していること、さらに金銭目的やわいせつ目的といった悪質な動機が、量刑に影響したとみられる。
SNSを介して自殺志願者に接触する犯罪は、2017年の座間9人殺害事件以降も後を絶たず、プラットフォーム上での自殺関連投稿への対応が社会的な課題となっている。