G7がエネルギー安保で緊急協調、IEA主導で過去最大4億バレルの石油備蓄放出へ
要約
ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続くなか、G7財務相・エネルギー相・中央銀行総裁が緊急オンライン協議を実施。IEAによる4億バレルの協調放出の6割を日米が担う。
G7が共同声明、「あらゆる措置を講じる用意」
G7の財務相、エネルギー担当相、中央銀行総裁は3月30日、オンラインで緊急協議を実施した。ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続くなか、G7は共同声明でエネルギー安全保障の確保に向けて「あらゆる措置を講じる用意がある」と表明し、石油市場の安定に向けた協調姿勢を鮮明にした。
協議には日本から赤沢亮正経済産業相、片山さつき財務相、植田和男日銀総裁が参加したほか、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、経済協力開発機構(OECD)も加わった。G7は不透明な輸出制限の導入を控えることも確認し、市場の混乱回避を図る構えだ。
IEA主導の協調放出、日米で6割を負担
国際エネルギー機関(IEA)は合計4億バレルの協調放出を進めている。放出量の6割は日米が占めており、両国が供給安定の中核的役割を果たす形となっている。
IEAのビロル事務局長は3月25日のインタビューで「必要なら追加の放出の用意がある」と述べており、事態の長期化に備えた姿勢を示していた。
日本の備蓄放出、段階的に拡大
日本は3月16日から民間備蓄の放出を開始し、3月26日には国家備蓄と産油国共同備蓄の放出にも踏み切った。段階的に放出規模を拡大する対応をとっている。
民間備蓄の放出開始
石油元売り企業が保有する民間備蓄から先行して放出を開始した。
IEA事務局長が追加放出に言及
ビロル事務局長がインタビューで、必要に応じた追加放出の用意があると表明した。
国家備蓄・産油国共同備蓄の放出開始
日本政府が国家備蓄と産油国共同備蓄の放出に踏み切り、対応を本格化させた。
G7緊急オンライン協議
G7財務相・エネルギー相・中央銀行総裁が協議し、エネルギー安保確保へ協調を確認した。
赤沢経済産業相は「事態が長期化した場合に備え、必要なタイミングでの追加の協調放出を含め、さらなる対応を機動的に講じる準備をする必要がある」と述べ、追加対応への備えを強調した。
危機の長期化に備え、追加放出も視野
今回の協調放出は4億バレルという大規模なものだが、ホルムズ海峡の封鎖状態が続く限り、追加の対応が求められる可能性がある。G7とIEAがともに追加放出の用意を示していることは、事態の長期化を見据えた対応が始まっていることを意味する。エネルギー安全保障をめぐる国際的な連携の行方が注目される。