2026/4/11
nippon-post.com
経済

ラピダス、半導体組み立て試作ラインが本格稼働 AI向けチップの生産効率10倍目指す

要約

ラピダスが北海道千歳市の生産拠点で後工程の試作ラインを本格稼働させた。前工程と後工程の一貫生産体制の構築を進め、AI向け半導体チップの生産効率を10倍以上に引き上げる新技術の確立を目指す。

ラピダス人工知能北海道半導体経済安全保障

国産最先端半導体の量産を目指すラピダスは2026年4月11日、北海道千歳市の生産拠点において、半導体の組み立て工程(後工程)の試作ラインが本格稼働したと発表した。人工知能(AI)向け半導体チップの生産効率を10倍以上に高める新技術の確立を目指している。

semiconductor manufacturing, microchip, cleanroom, robotic arm, silicon wafer
※画像はイメージです

小池淳義社長は「我々の夢だった『前工程』と『後工程』の一貫生産に大きく前進する」とコメントした。半導体製造における前工程はウエハー上に回路を形成する工程、後工程はチップの切り出しや組み立てを行う工程を指す。今回の試作ライン稼働により、千歳市の拠点で両工程を一貫して手がける体制の強化が進むことになる。

一貫生産体制の構築で競争力強化

ラピダスは2022年8月、トヨタ自動車やソニーグループ、NTTなど国内主要8社の出資により設立された。日本政府も支援する国家プロジェクトとして、2nm(ナノメートル)世代の最先端ロジック半導体の国産化に取り組んでいる。

今回稼働した後工程の試作ラインは、AI半導体の需要拡大に対応するための重要な一歩となる。前工程と後工程を同一拠点で一貫して行うことで、開発・製造サイクルの高速化を図り、生産効率の大幅な向上を実現する狙いがある。

AI半導体需要の拡大が背景に

AIの急速な発展に伴い、高性能なAIチップへの需要は世界的に拡大している。データセンターや自動運転、生成AIなどの分野で不可欠な存在となっており、ラピダスが目指す2nm世代の半導体は、従来世代と比較して大幅な性能向上と低消費電力化が期待されている。

最先端ロジック半導体の製造能力は現在、台湾のTSMCや韓国のサムスン電子に集中しており、経済安全保障の観点からも国産化の重要性が指摘されてきた。ラピダスの試作ライン本格稼働は、日本の半導体産業の競争力回復に向けた具体的な進展として注目される。