2026/4/15
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政治

参院憲法審が今国会初の会合、「合区」解消めぐり参考人質疑 衆参で改憲の優先順位に隔たり

要約

参議院憲法審査会が2026年4月15日に今国会初の会合を開き、合区制度について鳥取県知事らから意見を聴取した。衆議院側が緊急事態条項を優先する中、衆参の優先順位の隔たりが改憲議論の焦点となっている。

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参議院憲法審査会は4月15日、今国会で初となる会合を開き、参議院選挙の「合区」制度に関する参考人質疑を実施した。参考人として出席した平井伸治・鳥取県知事は「憲法論も含めて議論し、合区の解消をいち早く進めていただきたい」と訴えた。

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※画像はイメージです

合区は2016年の参院選から導入され、現在は「鳥取・島根」「徳島・高知」の2選挙区が対象となっている。自民党の与党筆頭幹事を務める中西祐介氏は「合区選挙区を導入した結果、投票率の低下や無効票の増加という弊害が顕著になった」と指摘し、「制度上の重大な欠陥であり一刻も早く是正すべき課題だ」と述べた。

公明党の谷合正明氏は「投票価値の平等を追求しつつ、参院の独自性と役割を踏まえた選挙制度が求められる」との見解を示した。

衆議院の憲法審査会では緊急事態条項の条文案検討を優先する意見が多数を占めているのに対し、参議院側は合区解消を主な論点に据えており、衆参の間で改憲議論の優先順位に隔たりが生じている。

高市早苗首相は4月12日の自民党大会で「『改正の発議にメドが立った』と言える状態で来年の党大会を迎えたい」と発言し、改憲への意欲を改めて示した。しかし、憲法改正の発議には衆参両院でそれぞれ総議員の3分の2以上の賛成が必要であり、参議院では与党が過半数議席を確保できていない現状がある。発議の実現には野党の協力が不可欠だ。

衆参の優先順位の不一致が具体的な改憲スケジュールにどの程度影響するかは見通せない。野党各党がどの条文案や制度見直しに賛同するかも明らかになっておらず、高市首相が掲げる1年以内の発議に向けた道筋は依然として不透明な状況である。

  1. 参院選で合区を導入

    「鳥取・島根」「徳島・高知」の2選挙区が合区対象となった。投票価値の平等を図る目的だったが、投票率低下などの弊害も指摘されてきた。

  2. 高市首相が自民党大会で改憲発議に言及

    来年の党大会までに改憲案の発議にメドをつけたいとの考えを表明し、強い意欲を示した。

  3. 参院憲法審が今国会初の会合

    合区制度に関する参考人質疑を実施。鳥取県知事が合区解消を要望し、自民党幹事も制度の弊害を指摘した。

参議院での合意形成が改憲議論全体の鍵を握る構図は変わらず、衆参の足並みをどう揃えるかが今後の焦点となる。