2026/4/16
nippon-post.com
社会

知床沖観光船沈没事故裁判、運航会社社長に禁錮5年を求刑 検察側

要約

2022年4月に発生した知床遊覧船沈没事故の刑事裁判で、検察側は運航会社社長の桂田精一被告に対し禁錮5年を求刑した。事故の予見可能性を巡り弁護側は無罪を主張しており、今後の司法判断が注目される。

刑事裁判北海道安全管理業務上過失致死知床沖観光船沈没事故

2022年4月に北海道・知床半島沖で発生した観光船「KAZU I(カズワン)」の沈没事故を巡る刑事裁判で、検察側は16日、運航会社「知床遊覧船」の社長・桂田精一被告に対し禁錮5年を求刑した。

People together
※画像はイメージです

桂田被告は、悪天候が予想される中で運航中止の指示を怠り、乗客乗員26人を死亡させたとして業務上過失致死の罪に問われている。

事故の予見可能性が最大の争点に

検察側は、悪天候が予想される状況下で運航管理者として事故を予見できたはずだと指摘している。一方、桂田被告は「船長から荒れる前に引き返すと聞き、それなら大丈夫と思って出港を認めた」と主張しており、弁護側は無罪を主張している。事故の予見可能性が裁判における最大の争点となっている。

事故原因について、運輸安全委員会は、船体前方のハッチの蓋の不具合により海水が船内に流入し、浸水が広がったことを直接的な原因と結論付けている。

事故後の影響広がる

2022年4月23日に発生したこの事故では、乗客乗員26人全員が死亡または行方不明となった。事故後、小型旅客船に対する検査が厳格化されるなど、観光船業界全体の安全管理体制の見直しが進められた。一方で、事業者の負担増加や一部業者の廃業など、地域経済への打撃も深刻化している。

民事訴訟では、乗客家族らが知床遊覧船と桂田社長に対し15億円を超える損害賠償を求めている。桂田被告を巡っては、事故後の記者会見での対応やずさんな安全管理体制が批判を集めてきた経緯がある。

刑事裁判の判決期日は今後指定される見通しである。