H3ロケット試験機6号機、6月10日に打ち上げへ 失敗究明のためダミー衛星搭載
要約
JAXAは2025年12月の8号機打ち上げ失敗を受け、原因究明データの収集を目的に主衛星をダミーとした試験機6号機の打ち上げを発表した。主エンジン3基構成の「30形態」は初の飛行となる。
6月10日に打ち上げ、主衛星はダミーを搭載
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月24日、大型基幹ロケット「H3」の試験機6号機を2026年6月10日に打ち上げると発表した。打ち上げ予定時間帯は午前9時53分から午前11時52分で、予備期間は6月30日までとしている。
2025年12月にH3ロケット8号機が打ち上げに失敗して以降、運用が停止されていた。今回の6号機は失敗原因究明のためのデータ収集を主な目的としており、主衛星にはダミーを使用する。このほか小型衛星6機を搭載して打ち上げる。
8号機失敗の原因は接着工程の温度上昇
4月22日には国の専門部会が8号機の打ち上げ失敗に関する中間報告書をまとめた。報告書によると、人工衛星を載せる台座を構成する4つのパーツの接着工程において、温度が想定よりも高くなったことが原因で強度が低下したとみられている。
H3ロケットの開発をめぐっては、2025年7月に燃焼試験で異常が見つかり開発が遅延。その後、2026年3月にエンジン燃焼試験でデータの取得に成功し、打ち上げ再開に向けた準備が進められてきた。
燃焼試験で異常発見
開発中の燃焼試験で異常が見つかり、H3ロケットの開発スケジュールが遅延した。
H3ロケット8号機が打ち上げ失敗
衛星台座の接着工程における温度上昇が原因で強度が低下し、打ち上げに失敗した。
エンジン燃焼試験でデータ取得に成功
打ち上げ再開に向けた重要なステップとして燃焼試験が実施され、必要なデータの取得に成功した。
専門部会が中間報告書をまとめる
国の専門部会が、8号機失敗の原因を接着工程の温度上昇による強度低下とする中間報告書を公表した。
試験機6号機の打ち上げ予定
失敗原因究明のためのデータ収集を目的として、ダミー衛星と小型衛星6機を搭載し打ち上げを行う。
初飛行となる「30形態」、主エンジン3基構成
今回の試験機6号機は「30形態」と呼ばれるタイプで、主エンジンを従来の2基から3基に増やした構成となっている。この形態での打ち上げは初めてとなる。
H3ロケットは日本の宇宙開発を支える次世代主力ロケットとして開発が進められてきたが、過去には試験機1号機が打ち上げに失敗するなど、困難な道のりが続いている。今回の6号機打ち上げでは、8号機の失敗で得られた知見を踏まえた対策が施されるとともに、新たな機体形態の実証が試みられる。