1. 泊原発3号機と新規制基準審査の経緯\n\n泊発電所は北海道古宇郡泊村に位置する北海道電力唯一の原子力発電所です。1号機(57.9万kW)、2号機(57.9万kW)、3号機(91.2万kW)の3基を擁し、総出力は207万kWにのぼります。3号機は2009年12月に営業運転を開始した、東日本で最も新しい原子炉でした。2011年の福島第一原発事故後、全国の原発に新規制基準への適合が求められ、泊3号機も審査を申請しましたが、敷地内や沖合の断層の活動性評価をめぐって議論が長期化しました。2025年7月に原子力規制委員会から設置変更許可が下り、再稼働に向けた道筋がようやく開かれました。\n\n2. 防潮堤工事の重要性\n\n再稼働には津波対策としての防潮堤整備が不可欠です。泊原発の防潮堤は、敷地に到達する津波の最大の高さを17.8メートルと想定して設計されています。当初、北海道電力はこの工事を約3年で完成させる計画でしたが、今回約4カ月の遅延が発生しました。防潮堤の完成は再稼働の前提条件であるため、工事スケジュールの変更がそのまま再稼働時期のずれ込みにつながっています。\n\n3. 全国の原発再稼働の状況\n\n2026年4月現在、新規制基準に合格して再稼働を果たした原発は全国で15基です。2024年以降は女川原発や島根2号機、柏崎刈羽7号機などが相次いで再稼働しており、日本の電力供給構造は震災前の姿に徐々に近づいています。原子力発電が全発電量に占める割合は約15〜17%まで回復していますが、政府が掲げる2030年度20〜22%、2040年度20%という長期目標の達成には、さらなる再稼働や運転期間延長が課題となっています。