宮城県の港で海上保安部の巡視船から重油が流出し、漁業に影響が広がっている問題で、4月28日、国の対策を検討する会合が開催された。鈴木農林水産大臣は会合を受け、迅速な賠償を前提とした漁業者への支援策を提示した。\n\n※画像はイメージです\n\n鈴木農林水産大臣は「迅速な賠償を前提として被害を受けた海産物の廃棄作業などの支援」を行う方針を表明。重油の付着により出荷できなくなった海産物の処理について、国として対応に乗り出す姿勢を明確にした。\n\n## 養殖水産物に深刻な被害\n\n今回の重油流出は、塩釜港に停泊中の巡視船「ざおう」から発生したもので、収穫前のワカメやノリなどの養殖水産物に油が付着する被害が生じている。被害額は3億円以上と見られており、塩釜市ではワカメやメカブなどの全量廃棄と今シーズンの漁の中止が決定されるなど、地元漁業者への打撃は深刻だ。\n\n流出した重油は最大15キロリットルに上るとされ、宮城県は4月16日から被害漁業者向けの融資制度「漁業経営サポート資金」の受付を開始。被害相当額を原則無利子で、500万円を上限として貸し付ける制度で、漁業者の資金繰りを支援している。\n\n## 関係省庁によるタスクフォース設置\n\n鈴木農林水産大臣は4月27日の記者会見で、この事故に対応するためのタスクフォースを農林水産省、海上保安庁、環境省、宮城県で立ち上げたことを明らかにしていた。大臣自らも参加し、漁業者への対応を議論する方針だ。\n\n国会でも本件は取り上げられており、参議院農林水産委員会では被害漁業者への全額補償を求める質疑が行われた。これに対し鈴木農林水産大臣は「漁業者はありえないこと。その観点から適切に対応する」と答弁している。\n\n巡視船を運用する海上保安部の管理責任が問われる中、政府として被害の全容把握と漁業者の経営安定に向けた取り組みが急がれる。