2026/5/4
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経済

片山財務相、太平洋島しょ国の国際送金網構築を支援へ サマルカンドで会議

要約

欧米銀行の撤退で国際送金が困難な太平洋島しょ国に対し、日本が新たな決済機関「パシフィック・ペイメント・メカニズム」の構築を主導する。片山財務相がウズベキスタンでの会議で表明した。

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島しょ国13カ国と財務相会議、送金網支援を表明

片山さつき財務相は5月4日、ウズベキスタンのサマルカンドで開かれた日本と太平洋島しょ国13カ国による財務相会議に出議し、国際送金網の構築支援を表明した。欧米の金融機関(コルレス銀行)の撤退により、島しょ国では国際送金が困難になっており、日本が新たな集中決済機関「パシフィック・ペイメント・メカニズム」の構築議論を主導する。

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※画像はイメージです

同会議は2024年に初めて開催され、今回が3回目。クック諸島、ミクロネシア連邦、ソロモン諸島が共同議長国を務めた。議長総括文書では、送金網の整備について「包摂的で強じんな経済の構築にとって重要だ」と明記された。

片山財務相は「日本の知識と技術を活用してアジア太平洋地域の成長促進に貢献できると期待している」と述べた。日本は世界銀行や米国とも連携し、送金インフラの再構築を進める考えだ。

ADBと共同で中小企業・エネルギー転換を支援

財務相会議と並行して、アジア開発銀行(ADB)の年次総会が5月3日にサマルカンドで開幕した。日本とADBは、島しょ国における中小企業支援やエネルギー転換インフラ整備のための仕組みを共同で創設した。

日本政府は4月、アジア諸国に対する100億ドル(約1兆6000億円)規模の金融支援を発表しており、今回の島しょ国支援もその一環に位置づけられる。

コルレス銀行撤退が島しょ国経済を直撃

太平洋島しょ国が直面する送金問題の根底には、コルレス銀行の撤退がある。コルレス銀行は、自国に支店を持たない銀行同士が国際送金を行う際に中継役を担う金融機関だ。マネーロンダリング対策のコスト増大などを理由に、欧米の金融機関が島しょ国向けサービスから相次いで手を引いており、貿易代金の決済や出稼ぎ労働者からの送金、援助資金の受け取りなどに支障が生じている。

日本が主導する「パシフィック・ペイメント・メカニズム」は、複数国の送金を一括処理することでコスト削減と効率化を図る構想である。ただし、具体的な設立時期や運用コストの負担割合は現時点で明らかになっていない。

  1. 第1回財務相会議を開催

    日本と太平洋島しょ国の財務相が初めて一堂に会し、金融分野での連携の枠組みが発足。送金問題への対処が議論の遡上に載った。

  2. 日本が100億ドルの金融支援を発表

    アジア諸国を対象に約1兆6000億円規模の支援パッケージを打ち出し、島しょ国を含む地域支援の土台を整えた。

  3. ADB年次総会が開幕

    ウズベキスタン・サマルカンドで開催。日本とADBが中小企業支援やエネルギー転換インフラ整備の仕組みを共同創設した。

  4. 第3回財務相会議を開催

    片山財務相が国際送金網の構築支援を表明。島しょ国13カ国が参加し、送金インフラの重要性を確認する議長総括を採択した。