NYダウ続落、イラン「米艦艇攻撃」報道と米軍否定で市場混乱 原油は107ドル台
要約
ロイター通信がイランによるホルムズ海峡での米艦艇ミサイル攻撃を報じたが、米中央軍が即座に否定。情報の錯綜が投資家心理を冷やし、ダウ平均は前週末比200ドル超の下落となった。
攻撃報道と否定が交錯、ダウ200ドル超安
2026年5月4日のニューヨーク株式市場で、ダウ工業株30種平均が続落した。午前9時35分時点で前週末比207ドル41セント安の4万9291ドル86セントで推移している。イラン情勢をめぐる情報の錯綜と原油高が重荷となった。
この日、ロイター通信がイランメディアの報道を引用し、「イランがホルムズ海峡で米軍艦艇をミサイル攻撃した」と報じた。これに対し、米中央軍はSNS(X)上で攻撃報道を公式に否定。真偽が不明なまま相反する情報が飛び交う事態となり、市場は動揺した。
ミラー・タバックのマシュー・マリー氏は「中東を巡って相反する複数の報道が相場を揺らしている」と指摘している。
トランプ大統領、ホルムズ海峡での護衛開始を表明
前日の5月3日、トランプ米大統領はSNSを通じ、ホルムズ海峡で足止めされている船舶と乗組員を安全に脱出させるため、4日午前(現地時間)から護衛を開始すると表明していた。米軍による護衛活動の開始が中東での軍事的緊張をさらに高めるとの見方が広がっている。
一方、イラン側については、米国から提示された戦闘終結に向けた14項目の提案を精査中であるとイランメディアが報じている。提案の具体的な内容は明らかになっていない。
原油は一時107ドル台、エネルギー供給懸念が拡大
中東情勢の緊迫化を受け、WTI原油先物は一時1バレル107ドル台まで上昇した。世界の石油供給量の約5分の1が通過するホルムズ海峡での軍事的緊張が、エネルギー供給への懸念を強めた形である。
原油価格の上昇は企業のコスト増加につながるとの警戒感から、幅広い銘柄に売りが出た。前週末に2万5114の最高値をつけたナスダック総合指数も上値の重い展開となっている。
市場では、4日夕刻に四半期決算の発表を予定しているパランティア・テクノロジーズの業績にも注目が集まっている。中東リスクの高まりが投資家心理に影を落とす中、地政学的な不確実性が当面の相場を左右する展開が続きそうである。