2026/5/9
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経済

3月の実質賃金1%増、3カ月連続のプラスに 厚労省発表

要約

厚生労働省が発表した2026年3月の実質賃金は前年同月比1%増となり、3カ月連続で前年実績を上回った。名目賃金の伸びが物価上昇を上回る傾向が定着しつつあり、政府が掲げる持続的な賃金上昇目標の達成に向けた動きが注目される。

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実質賃金が3カ月連続のプラス 厚生労働省が8日に発表した毎月勤労統計調査によると、2026年3月の実質賃金は前年同月比で1%増加した。実質賃金が前年同月比でプラスとなるのは3カ月連続である。
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実質賃金は、労働者が受け取る名目賃金から物価変動の影響を差し引いた指標で、家計の購買力を示す重要なデータとして位置づけられている。日本では長期にわたり実質賃金の伸び悩みが続いており、2022年4月から2024年5月にかけては26カ月連続でマイナスを記録していた。 ## 改善傾向の持続が焦点に 今回の結果は、名目賃金の伸びが物価上昇率を上回る状況が続いていることを示している。春闘での賃上げの動きが背景にあるとみられるが、この傾向が持続するかどうかが今後の注目点となる。政府は2029年度までの5年間で、日本経済全体で年1%程度の実質賃金上昇を定着させる目標を掲げている。3カ月連続のプラスはこの目標に向けた前向きな動きといえるが、原油価格の動向や為替変動、中小企業への賃上げの波及状況などが今後の実質賃金の行方を左右する要因となる。 ## 課題は賃上げの裾野拡大 日本の賃金が長期的に伸び悩んできた背景には、労働生産性の伸びに賃金が追いついていない構造的な問題がある。持続的な賃上げの実現には、生産性の向上やコスト増加分を販売価格に適切に転嫁する取り組みが不可欠とされている。賃上げの動きが大企業にとどまらず、中小企業を含む幅広い産業へどこまで広がるかが、実質賃金の安定的なプラス基調の定着を左右する鍵となる。