八代市新庁舎建設巡り市議ら3人送検 賄賂6千万円のあっせん収賄容疑
要約
熊本県警と警視庁は、八代市新庁舎建設工事の入札で特定企業に便宜を図り、見返りに現金6千万円を受け取ったとして、市議ら3人をあっせん収賄容疑で送検した。
市議ら3人を熊本地検に送検
熊本県警と警視庁は2024年11月8日、八代市新庁舎建設工事を巡るあっせん収賄容疑で、八代市議会議員の成松由紀夫容疑者(54)、土木会社役員の園川忠助容疑者(61)、元八代市議の松浦輝幸容疑者(84)の3人を熊本地検に送検した。3人は前日の11月7日に逮捕されていた。
送検容疑によると、成松容疑者らは2016年から2019年6月ごろにかけて、新庁舎建設工事の入札で大手建設会社の前田建設工業が有利になるよう、評価基準案を市幹部らに指示した疑いが持たれている。さらに2019年8月から12月ごろには、落札企業の利益増のため市に働きかけたとされる。その見返りとして2021年6月上旬ごろ、現金6千万円を受け取った疑いがある。
なお、贈賄側の行為については時効が成立している。送検された3人の現在の認否について、警察は明らかにしていない。
総事業費約171億円の大型公共事業
八代市新庁舎は地上7階・地下1階の構造で、総事業費は約171億円にのぼる。2022年に開庁した。成松容疑者らは、この大型公共事業の入札段階から落札後に至るまで、特定企業に便宜を図るよう市側に対して組織的に働きかけていたとみられている。
入札の評価基準案を市幹部に指示
前田建設工業が有利になるよう、入札の評価基準案の採用を市幹部らに指示した疑い。
落札企業の利益増のため市に働きかけ
落札後も企業側の利益拡大のため、市に対する働きかけを続けたとされる。
現金6千万円を受領
一連の働きかけの見返りとして、成松容疑者らが現金6千万円を受け取った疑い。
新庁舎が開庁
地上7階・地下1階の新庁舎が完成。総事業費は約171億円。
成松容疑者が疑惑を否定
会見で「(疑惑は)でっち上げだ」と主張し、関与を全面的に否定していた。
逮捕・送検
熊本県警と警視庁が3人を逮捕。翌日、熊本地検に送検された。
容疑者は会見で疑惑を全面否定していた
成松容疑者は2024年4月の会見で「(疑惑は)でっち上げだ」と述べ、関与を全面的に否定していた。成松容疑者は過去に市議会議長も務めた有力市議で、地元では「市議会のドン」とも呼ばれていた人物である。
八代市新庁舎は熊本地震で被災した市役所の建て替え工事として計画されたもので、前田建設工業が他社とのJV(共同企業体)で落札していた。市議会の百条委員会では、当時の入札に関わった職員が上司からの圧力があったことを示唆する証言をしていたとされ、今回の逮捕・送検に至った背景には長期にわたる捜査があったとみられる。