2026/5/13
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社会

生活保護費引き下げ違法判決後の国の対応に不服、大阪の元原告らが審査請求

要約

2025年の最高裁判決で生活保護基準の引き下げが違法と確定したが、その後の国の対応が不十分だとして大阪府の元原告の一部が審査請求を提出した。今後、他地域でも同様の動きが広がる見通しだ。

大阪府審査請求憲法25条最高裁生活保護

生活保護の支給額引き下げを違法とした最高裁判所の判決を受け、国が実施した対応に対して、大阪府の元原告の一部が13日、大阪府に審査請求を提出した。元原告側は、国の対応が当初求めていた補償内容と乖離していると主張しており、「国が取った対応は求めていた補償からほど遠い」と訴えている。\n\n

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※画像はイメージです
\n\n2013年から2015年にかけて段階的に実施された生活保護基準の引き下げをめぐっては、2025年6月に最高裁が厚生労働大臣の判断過程に過誤があったとして、減額処分を取り消す判決を確定させた。いわゆる「いのちのとりで裁判」として全国各地で争われてきた一連の訴訟に、司法として最終的な判断が示された形である。\n\n
  1. 生活保護基準の段階的引き下げ

    厚生労働省がデフレ調整などを理由に生活扶助基準を減額し、全国で生存権侵害を問う訴訟が提起された。

  2. 最高裁判所による違法判決の確定

    厚生労働大臣の判断過程に過誤があったとして、デフレ調整の手法を違法とし、国側の減額処分を取り消す判決が確定した。

  3. 大阪の元原告らが審査請求を提出

    最高裁判決を受けた国の追加給付などの対応が不十分であるとして、大阪府の元原告の一部が行政不服申し立てを行った。

\n\n## 国の対応と元原告側の主張\n\n最高裁判決を受け、国は追加給付等の対応を行ったとされるが、元原告側はその内容が不十分だとの立場を示している。具体的にどのような追加給付や対応が行われたかについては、詳細が明らかになっていない。また、審査請求を行った元原告の具体的な人数も公表されていない。\n\n元原告側の不服の背景には、最高裁判決で減額処分の取り消しは認められたものの、国家賠償請求については退けられたという経緯がある。生活保護基準の引き下げは「デフレ調整」や「ゆがみ調整」を根拠に実施されたが、最高裁は物価変動率のみを指標としたデフレ調整の手法や、専門家の意見との整合性を欠く点を違法と判断していた。\n\n## 他地域にも波及の見通し\n\n大阪府以外でも、今後同様の不服申し立てが行われる見通しである。「いのちのとりで裁判」は全国各地で提訴されていた経緯があり、大阪での審査請求が他の地域の元原告らの動きに影響を与える可能性がある。\n\n生活保護制度は、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を具体化する最後のセーフティーネットとして位置づけられている。今回の審査請求は、最高裁判決後の行政対応のあり方をめぐり、改めて問題を提起するものとなった。