日本郵便、来年度にも郵便料金20円値上げへ 集配拠点500カ所削減や人員7千人減も
要約
2024年10月の料金改定から間を置かず、2028年度に約4千億円の純損失を見込むとして再値上げを検討する。集配拠点の2割削減や約1万局での昼休止導入など、大規模な構造改革で収支改善を目指す。
日本郵便は15日、郵便料金の値上げを検討していると発表した。親会社・日本郵政の根岸一行社長は「できれば来年度中にも」値上げを実施したい考えを示し、20円の引き上げを想定した場合、2028年度に約1981億円の収支改善効果を見込む。2024年10月に約3割の値上げを実施したばかりだが、根岸社長は「持続的なサービス提供がかなり難しい状況だ」と危機感をあらわにした。
2028年度に約4千億円の純損失を見込む
日本郵便が値上げ検討に踏み切った背景には、深刻な収支悪化がある。同社は2028年度に約4千億円の純損失を計上する見通しを示しており、抜本的な対策が不可欠と判断した。このため、収益拡大とコスト削減を柱とする収支改善計画を同日公表した。
収益面では、郵便料金の引き上げに加え、配達頻度やポスト設置数など法律で定められたサービス水準の見直しを政府に要望する方針だ。現行法では週5日の配達頻度や4日以内の送達日数が義務付けられているが、この規制の緩和を求めていく。
集配拠点500カ所削減、社員7千人減へ
コスト削減策としては、郵便物の集配拠点を現在の約3200カ所から2028年度には約2700カ所へ、約500カ所削減する。郵便・物流分野の社員も計7千人削減する計画だ。
一方、郵便局の総数は維持する。ただし、昼に業務を休止する局を現状の約5倍にあたる約1万局へ拡大する方針で、窓口サービスの縮小は避けられない。
具体的な値上げ対象は未定
今回の発表では、封書やはがきなど具体的にどの種類の郵便物をいくら値上げするかは明らかにされていない。また、政府が配達頻度の週5日義務などサービス水準の見直し要望を認めるかどうかも不透明だ。
前回の郵便料金値上げ
約30年ぶりの料金改定で手紙やはがきが約3割値上げされたが、収支改善には至らなかった。
収支改善計画を発表
2028年度に約4千億円の純損失を見込み、郵便料金の値上げ検討や拠点・人員の削減を柱とする計画を公表した。
値上げ実施を目指す
根岸社長が「できれば来年度中にも」と表明。20円の値上げ想定により、2028年度に約1981億円の収支改善を見込んでいる。
改善計画の目標年次
集配拠点を約2700カ所に削減し、郵便・物流分野の社員7千人を減らすなどの構造改革の完了を目指す。
郵便物数の長期的な減少が続く中、日本郵便は前回値上げから間を置かず再び利用者負担の引き上げを迫られる格好となった。収支改善計画の実効性とともに、サービス水準の維持がどこまで可能かが今後の焦点となる。