NYダウ一時249ドル安、米イラン交渉の不透明感と企業決算が交錯
要約
2026年5月21日のニューヨーク株式市場は、イラン核交渉をめぐる報道の錯綜やエヌビディア・ウォルマートなど主要企業の決算が明暗を分け、売り買いが交錯する展開となった。
ダウ一時249ドル安、交渉報道で売り先行
2026年5月21日のニューヨーク株式市場で、ダウ工業株30種平均は一時前日比249ドル72セント安の4万9759ドル63セントまで下落した。米イラン交渉をめぐる報道が錯綜したほか、主要企業の決算が明暗を分け、一進一退の展開となった。
ロイター通信は21日午前、イランの最高指導者モジダバ_ハメネイ師が「高濃縮ウランを国外に持ち出すべきではない」と指示したと報じた。前日20日にトランプ大統領が「(イランとの交渉が)最終段階にある」と発言していたこともあり、交渉の先行きに対する不透明感が広がった。一方、イラン政府高官はこのロイター報道の内容を否定しており、情報の真偽をめぐり市場は神経質な動きとなった。
原油市場では米原油先物が一時1バレル102ドル台まで上昇。米10年物国債利回りも一時4.63%と前日比0.05ポイント上昇し、株式市場の重荷となった。
エヌビディア好決算も、ウォルマートが冷や水
企業決算では、半導体大手エヌビディアが20日に発表した2026年2〜4月期決算で売上高が市場予想を上回り、AI関連需要の底堅さを示した。市場心理を下支えする材料となっている。
IT大手IBMについては、米政府から量子コンピューター関連で10億ドルの助成金を受け取ると米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。テクノロジーセクターへの追い風材料として意識された。
一方、小売大手ウォルマートの2026年5〜7月期の収益見通しは市場予想を下回った。個人消費の先行きに対する警戒感が広がり、売りを誘う場面もあった。
原油・金利の上昇が重荷に
米イラン交渉の行方は原油価格に直結する。交渉が最終段階にあるとのトランプ大統領の発言がある一方、ハメネイ師の指示をめぐる報道とイラン側の否定が交錯し、市場は方向感を見定めにくい状況にある。原油先物の102ドル台への上昇は、エネルギーコストの増大懸念を通じて株式市場の上値を抑える要因となっている。
米10年物国債利回りの上昇も、ハイテク株を中心にバリュエーション面での逆風となった。エヌビディアの好決算がAI関連株を支えるものの、原油高と金利上昇という二重の重荷が市場全体の方向感を鈍らせている。
トランプ大統領が交渉進捗に言及
「イランとの交渉が最終段階にある」と発言し、交渉妥結への期待が一時高まった。
エヌビディアが2〜4月期決算を発表
売上高が市場予想を上回り、AI向け半導体需要の堅調さを裏付けた。
ロイターがハメネイ師の指示を報道
高濃縮ウランの国外持ち出し禁止を指示したと報じたが、イラン政府高官は否定。情報が錯綜した。
NYダウが一時249ドル安
交渉不透明感や原油高・金利上昇が重なり、4万9759ドル63セントまで下落した。