1. 租税特別措置(租特)と補助金見直しの経緯\n\n租税特別措置とは、特定の政策目的を達成するために、税法の本則とは異なる特例的な課税を認める制度です。企業の設備投資促進や特定産業の育成など、さまざまな分野で活用されてきました。一方で、制度が長期化することで本来の政策効果が薄れたり、特定の業界・企業への優遇が固定化されるといった問題が指摘されてきました。補助金についても同様に、交付目的に照らした効果検証が不十分なまま継続されるケースがあり、財政の硬直化要因として課題視されています。\n\n高市政権は2025年11月に内閣官房に「租税特別措置・補助金見直し担当室」を設置し、約30名体制で見直し作業を進めてきました。今回の各省庁への自己点検義務付けは、この取り組みの具体的な第一歩にあたります。\n\n2. 片山担当大臣について\n\n片山さつき氏は、大蔵省(現財務省)出身のキャリア官僚を経て政治家に転身した人物です。財務省での主税局勤務経験があり、税制や財政に関する専門知識を有しています。高市内閣では財務大臣兼内閣府特命担当大臣(金融)に加え、租特・補助金見直し担当大臣を兼務しており、今回の見直し作業の指揮を執る立場にあります。\n\n3. 責任ある積極財政と財源確保の関係\n\n高市政権が掲げる「責任ある積極財政」とは、経済成長のために必要な財政出動を行いつつ、財政の持続可能性も確保するという考え方です。ガソリン暫定税率の廃止は国民負担の軽減策として打ち出されましたが、その実現には代替財源の確保が不可欠です。補助金や租特の見直しによって捻出される財源は、暫定税率廃止による税収減を補う役割が期待されています。今回の自己点検を通じて、政策効果の低い事業を洗い出し、限られた財政資源をより効果的に配分する「ワイズスペンディング(賢い支出)」の実現を目指す方針です。