IMFが世界成長率を下方修正、イラン情勢の悪化反映 国際通貨基金(IMF)は14日、最新の「世界経済見通し」を公表し、2026年の世界実質経済成長率を3.1%と予測した。前回1月の見通しから0.2ポイントの引き下げとなる。下方修正の主な要因はイラン情勢の悪化で、エネルギー価格の高騰やサプライチェーンの混乱が世界経済の重荷になっているとの認識を示した。 ※画像はイメージです IMFは経済見通しを3カ月ごとに更新しており、前回1月にはトランプ関税の悪影響緩和などを理由に上方修正していた。今回は一転して下方修正に踏み切った形だ。 ## 主要国・地域の見通し 米国、ユーロ圏、中国など主要国・地域の多くで成長率が下方修正された。米国は2.3%(0.1ポイント減)、中国は4.4%(0.1ポイント減)と、それぞれ小幅ながら引き下げられた。一方、日本は0.7%で前回から据え置かれている。 特に深刻なのが中東・北アフリカ地域で、成長率は1.1%と前回から2.8ポイントもの大幅な引き下げとなった。紛争の直接的な影響を受ける同地域の経済的打撃の大きさが浮き彫りになっている。
## 12日の停戦協議は物別れ、先行き不透明 今回の予測は、戦闘の範囲が限定的で2026年半ばまでに終息するとの前提に基づいている。しかし12日には米国とイランの停戦協議が物別れに終わっており、この前提が崩れるリスクも意識される。 IMFは「事態が長期化すれば、さらなる減速の可能性もある」との見解を示している。石油価格の高騰などが長引く深刻なケースでは、世界成長率が2.5%、あるいは2.0%にまで落ち込む可能性があるとの想定も併せて公表した。 ## メインシナリオと下振れリスク IMFが示したメインシナリオでは2026年半ばに混乱が終息することを想定しているが、停戦協議の決裂が続けば、エネルギー価格の一段の上昇や世界的なインフレ圧力の高まりが避けられない状況となる。米国とイランの戦闘が実際にいつ終息するか、また石油価格の高騰や高インフレが2027年まで継続するかどうかは依然として見通せず、世界経済の不確実性は高まっている。