JR北海道は2024年4月15日、「単独では維持困難」とする赤字8区間(黄色線区)について、自治体などが施設を所有しJRが運行を担う「上下分離方式」を含む改善策の協議を開始すると発表した。綿貫泰之社長が会見で明らかにした。 ※画像はイメージです ## 在来線の46%、年間赤字148億円 協議の対象となるのは、2016年に輸送密度(1キロあたりの1日平均乗客数)2000人未満として「単独では維持困難」と位置づけられた路線のうち、現在も残る8区間だ。合計距離は925.7キロで、JR北海道の在来線全2003.9キロの約46%に相当する。2024年度のこれら黄色線区の合計営業赤字は約148億円に上る。 2016年の発表時には13区間が対象とされたが、このうち5区間(311.5キロ)は既に廃止・バス転換が完了している。
## 社長「一歩踏み込んだ仕組みが必要」 綿貫社長は会見で「(8区間を)引き続き維持したいと考えているが、収支は依然厳しく、ここで一歩踏み込んで、持続的に維持する仕組みを構築する必要がある」と述べた。2024年度中に区間ごとの具体的な改善策を取りまとめる方針だ。 上下分離方式は、線路や駅設備などのインフラを自治体等が所有・維持管理し、列車の運行をJR北海道が担う形態である。鉄道事業者の経営負担を軽減する効果が期待される一方、自治体側の財政負担が増大する可能性がある。 ## 国は追加支援と監督命令で期限設定 国は2024年にJR北海道に対し多額の追加財政支援を決定するとともに、監督命令を発出した。この命令では、2026年度末までに赤字8区間について抜本的な改善策を策定するよう求めている。今回の協議開始は、この国の要請に応える形での動きとなる。
13区間を「単独維持困難」と発表
輸送密度2000人未満の路線を対象に、JR北海道が初めて維持困難路線を公表した。
5区間の廃止・バス転換完了
13区間のうち5区間(311.5キロ)が廃止され、代替バスへの転換が完了した。
上下分離方式含む協議入りを発表
綿貫社長が会見で残る8区間の持続的維持に向けた自治体との協議開始を表明した。
抜本的改善策の策定期限
国の監督命令が求める期限。8区間すべてについて具体的な方策をまとめる必要がある。
自治体側の具体的な合意状況や、インフラ所有に伴う財源確保の見通しは現時点で明らかになっていない。広大な北海道において老朽化が進む鉄道施設の維持管理を誰がどのように負担するのか、今後の協議の行方が注目される。